コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ラベンダー
第3話〜守りたい人〜
暇だなぁ。そう思った私は久しぶりに𝕏を開いてみた。
すると祐月先輩の投稿が目に入った。
「死にたい。」
何かあったのかな…。私は心配になり祐月先輩にDMをしてみた。でも祐月先輩は自分の悩みを簡単に打ち明けるような人ではなかった。
数日後、友達も入れた3人で遊ぶ約束をした。そこでも祐月先輩は
「どうやったら楽に死ねるかな」と呟いていた。
私は本当に心配でたまらなかった。
何も出来ない自分が悔しかった。
もし祐月先輩に彼女が出来たら。。。
そういう存在が居れば少しは生きる意味を見つけられたりするのかな…。
私は気づいたら祐月先輩のそういう存在になりたいと思っていた。
ー自分が祐月先輩を守りたいー
そして私は勇気を出して告白してみることにした。初めての告白だった。正直振られる覚悟だった。だって 私は1度祐月先輩を振ってしまっているから…。
でももし。
もしももう1度チャンスを貰えるなら…。
「祐月先輩…!
前に1度告白してくれたとき本当に嬉しかったんですけど断ってしまってごめんなさい。自分勝手なのは分かってるんですけど今は1番近くで祐月先輩のことを支えたいしお互い助け合っていきたいと思っています。
付き合ってくれませんか。」
「ちょっと頭が追いついてないです…笑
少し考えさせて…!」
そう言われ私はドキドキしながら待つことにした。すぐ振られると思っていたから少し考えてくれるだけでも嬉しかった。
次の日。
祐月先輩から返事がきた。
「1日待たせちゃってごめんね…!!三玖からLINE来た時ちょっとびっくりしたけど嬉しかったよ!!!
俺も三玖のこと支えたいしお互い助け合いたい。付き合ってください」
そして私たちは付き合うことになった。
祐月先輩は自己肯定感は低いけど、私を喜ばせるのは得意だった。
沢山可愛いと言ってくれたり、大好きも頻繁に言ってくれたりした。
でも私が祐月先輩を褒めるとちょっと怒られた。
もっと自分に自信持っていいのにな。
私はそう思っていた。
祐月先輩は優しくて聞き上手で話し上手だった。私が悩んでる時はすぐに気づいてくれるし、誕生日プレゼントの時は今までの会話を思い出して私に必要なものを買ってくれた。私はくれた物よりも自分との会話をちゃんと覚えててくれてたことが何よりも嬉しかった。
祐月先輩は本当に私にとってまさに理想の彼氏だった。
私は付き合ってから仲が深まり、祐月先輩に敬語を外して話せるようになっていた。また、呼び捨てして欲しいと言われたので最初はぎこちなかったけど頑張ってゆづきと呼ぶようにした。
「ゆづき〜大好きっ!!!」
私がそう言うと
「俺の方が好きだもん!!!!」
ゆづきはいつもそう答えた。先輩だけど好き度で勝負してるところがなんとも可愛らしかった。
学校ではあまり話さないようにしていたけど委員会が同じだったのでたまに会う機会はあった。
ある日。
委員会が終わって外を見てみると雨が降っていた。
わぁやばい。
今日に限って傘持ってきてないのに…!
私は何とか帰り道が同じ友達の傘に入れてもらうことにした。私たちの後ろではもう1人の友達とゆづきが何やら話していた。
そして急に後ろにいた友達が走ってきて私が傘を借りていた友達を連れていった。
私とゆづきが付き合ってることを知っている数少ない友達の1人だ。
きっとゆづきと2人きりにさせようとしてくれたのだろう。
その時後ろから来たゆづきが私を傘に入れてくれた。でも私たちは途中までしか一緒じゃないからどっちみち濡れてしまう…。
そう思っているともう既にその別れるところまで来ていた。
私は濡れる覚悟を決めて
「じゃあまたね…!傘入れてくれてありがと」と言った。
しかしゆづきは私を心配し、傘を貸してくれると言った。
さすがに借りるのは申し訳ない。
私がもし借りてしまったら逆にゆづきが濡れてしまう。
そう思い傘を借りるのを断ったがゆづきは一向に引かない。
私たちはじゃんけんで決めることにした。
あ、まけた…。
「ほらほら。風邪ひいちゃったら困るから使って…!俺はこっから近いから大丈夫だから!」
ゆづきにそう言われじゃんけんも負けてしまったので結局私は傘を借りて帰ることにした。
時間が経つのは思っていた以上にあっという間でゆづきの卒業式が近づいていた。
来年から高校に行ってしまうのか…。
そう思うと少し寂しかった。
でも高校といってもすごく離れてるわけでは無い。
中学校からさらに坂を上ったところにあるから会おうと思えば会えるけど違う学校というだけでやっぱり寂しかった。
いよいよ卒業式当日。
コロナのせいで在校生は卒業式に参加出来なかった。
でも私はどうしてもゆづきに会いたかった。
卒業式が終わったあと。
「ごめん。今から会いに行ってもいい?」
ゆづきは快くいいよと言ってくれたので私はゆづきの家に会いに行った。
ゆづきはすぐ家から出てきてくれて
「ごめんちょっと待ってて」と言った。
私は言われた通り少し待っていると
「これ、渡したいと思ってたんだ…!」
ゆづきの手には第二ボタンがあった。
私は貰えると思っていなかったのですごく嬉しかった。
ずっと大切にしよう、そう決めた。