【閲覧注意⚠︎】この小説はnmmnです。nmmnが苦手な方やタグの意味が分からない方は一度ご確認の上、再度閲覧をするかのご検討をお願いします。又、この小説は作者の妄想・フィクションです。
ご本人様(キャラクター等)には一切の関係・関連はありません。ご迷惑がかからぬよう皆で自衛をしていきましょう!
閲覧は自己責任です。
※その他BL要素有り( 🟦×🏺)
今一度ご確認の上、ご理解ご了承頂ける方のみ本文へお進みください🙌
ご確認ありがとうございます!!!
それではどうぞ〜🫶✨
🏺『』その他「」無線「”○○○”」
【貴方は人魚姫のおとぎ話を知っているだろうか?】
そんな文面が少しだけ色褪せたカフェボードにつらつらと書かれていた。
本署の裏、そこから少し歩けばホームレスたちの拠り所が密かに存在する。
色とりどりのテントがいくつも張られ、少し汚れているが別に居心地の悪い場所ではない。
誰も見向きをしなくなったその場所が、つぼ浦にとっては大切なパトロールの巡回ルートに含まれていた。
『人魚姫か。あれだな、あれ…あれだ』
ボードをよくよく見てみれば、どうやら人魚姫は陸の世界に憧れて尚且つ人間の王子にも恋をし、けれども親父は大反対で…、あれやこれやと海の魔女と契約をし、足を手に入れる代わりに声が出なくなり、またあれやこれやと色々あって最終的には泡ぶくになって消えてしまうらしい。
『…ん?、俺が知ってるやつと少し違ぇな』
まぁでも著作権が切れた昔話なんていくらでも変わるもんかと一人で納得する。
この童話の主人公にとってはそれが一番心残りの少ないハッピーエンドだったのだろう。
『恋は盲目ってな』
腕を組んでウンウンと頷けば、つぼ浦の存在に気がついたホームレスたちが緩く手を振って近づいてくる。
『お。じいさんばあさん、元気か?』
「えぇえぇ。元気ですよ」
お金はなくとも穏やかに暮らしている人が意外と多いこのロスサントスの市民たち。
本当に手を差し伸べるべき人たちの手を握る事が出来るのも、自由な働き方をしている特殊刑事課だからこそである。
「今日も警察は忙しいみたいだねぇ」
『あぁそうだな。特にSWATの奴らはとんでもなく忙しいぜ。俺は自由だからこうしてアンタらと話せるけどな』
“悪者を一斉にしょっぴければ、他の奴らも呼べんだけどなぁ”と控えめに申し訳なさそうに呟いて、つぼ浦は自身のスタッシュをガサゴソと漁る。
『昨日買いすぎちまった食べ物と飲み物があってな?、あと煙草は身体に悪ぃから、普通の煙草の他にガキタバコっつーお菓子を買ってみたんだ』
ドカドカと黒いバックに詰め込んではトサリと足元に置いて、つぼ浦は“みんなで分けてくれ”と一言添える。
「いつもありがとうねぇ」
『気にすんなよ、俺がしたくてしてる事だ。それに、俺一人じゃこの量は食いきれねぇからな(笑)』
ちょうど空腹ゲージも半分以上が空っぽ…言わば腹へり状態だったので、集まってきた住民と一緒に地べたに座ってハンバーガーをぱくりと頬張る。
『あぐっ、ン。うまい。やっぱうめぇわ』
未だに数分間に一回は必ずサイレンの音が橋の下をでかでかと反響するが、慣れてしまえば特に気になることはない。
『ン…。……?、』
それよりももっと気になるのは、ホームレスの集まりから少し離れた場所で本を読んでいる青年の姿だ。
『…なぁばあさん、あいつは新しい奴か?』
つぼ浦がそう問いかければ、優しげな老婆がこくりと頷いて口を開く。
「あの子はねぇ、此処に住んでいる訳ではないんだけどねぇ…、偶にここで本を読んだりね〜…、あと、なんだったかしら…?、」
小さく首を傾げて、その言葉の続きはいくら待てども出てこない。
「私も歳ねぇ〜(笑)」
『いやいや疲れてるだけだろ。悪かったな、あとは自分で聞いてくる』
よいしょと立ち上がりその輪からするりと抜ければ、つぼ浦は静かにその青年へと近寄ってしゃがみ込む。
『よぉ。元気か?』
「………。僕に聞いていますか?」
『おう!、アンタに聞いてるぜ』
本からつぼ浦へと視線を向けた青年は、しばらくつぼ浦をじーっ…と凝視してからパタンと本を閉じた。
「……えぇ、元気ですよ」
『そうか(笑)、なら良かった。それで、アンタはどこから来たんだ?、腹は空いてねぇか?』
「…質問が多いですね」
『゙ん〜、確かにな。じゃあそうだなァ…、…アンタは、人魚姫のおとぎ話を知ってるか?』
片手の平に顎を乗せて、つぼ浦は問いかける。
「……なぜ?」
『だってその本。人魚姫のやつだろ?』
カフェボードに書かれていた文字の羅列も全て、きっとこの青年が何かしらの為に書き記したものなのだろう。
きゅっと握られたその分厚い本には、“人魚姫”とはっきり表記されている。
『好きなのか?、おとぎ話』
「………おとぎ話、というより…、登場人物が好きなんです」
『ほぉ〜、そうか。誰が一番好きなんだ?』
「…強いて言うなら、魔女ですかね」
その回答にキョトンとしてから、つぼ浦は“実は赤毛の方の人魚姫しか知らねぇんだ”と素直に謝る。
『そっちの魔女は良い奴だったりするのか?』
「いいえ?、ただ…、自分の欲に素直です」
青年はクスリと笑ってからつぼ浦をまたじーっ…と見つめる。
「貴方は人魚姫が好きそうですね」
『俺か?、俺はー…どうだろうな。まぁ、身内に迷惑をかけまくる所はその姫さんと同じだな(笑)』
今もこうして駄べっている間に、何人の署員が汗水流して犯人を捕らえているのだろうか。
特殊刑事課を免罪符にして、俺は今日も市民と関わる機会を得ている。
ただそれだけのちっぽけな働きだ。
「市民交流も立派なお仕事では?」
『お!、いい事言ってくれるじゃねぇか。その通りだぜ』
つぼ浦は嬉しそうに笑みを浮かべて、その数秒後にはて?と小首を傾げる。
『?、俺いま全部口に出して言ってたか?』
「…いいえ?」
『そう、だよな…。ん?』
まるで心を読まれていたかのような完璧な言葉の返しだった。
「……つぼ浦さん。一つ頼まれてはくれませんか?」
名前を名乗ってすらいないのに、何故か小さく笑みをうかべてゆるりと言葉を続ける。
「僕は貴方のように素直で人間味のある人を待っていました。まるで人魚姫のような登場人物。…そして、僕は欲深い魔女です」
“新しい物語を作りましょう”
「大丈夫です。僕は確かに欲深いけれど…、貴方の幸せを願っています」
トスっと分厚い本を膝に乗せて、青年はパチンと指を鳴らす。
『゙っ、』
「眠ってください」
『、っ、ッ、…、……、』
「僕が魔法を解くまでは、貴方は誰かに恋をする人魚姫です。3日のうちに愛し愛され、キスをしなければ、貴方は泡になってしまう。…あいにく邪魔者はいません。必要なのは、貴方の勇気だけです」
青年がもう一度パチンと指を鳴らせば、つぼ浦はカクンッと首を落としてからぱちりと目を覚ます。
『?、』
目を覚まして周囲を見渡せば、そこにはもう青年の姿はなかった。
忽然と居なくなった青年を探そうと立ち上がれば、なんだか足がふらついて歩くことすらままならない。
『゙っ、…?、……?、』
声は出なかった。
『………(まずい、)』
俺はどうやら、3日の間に意中の相手と恋を成熟させる必要があるらしい。
そうしなければ、俺はきっと泡になって消えてしまう。
それ即ち、ダウンでも強制瞑想でもなんでもない… 本当の死が待っている。
『…、…。』
つぼ浦は静かに静かに、誰にも悟られる事無くその場を後にした。
拝啓、勲叔父さん。
俺は恋する乙女ならぬ、恋する人魚姫になってしまったようです。
『…、(最悪だぁあああっ!、)』
なぜこんな事になってしまったのかはさておき、俺は魔女ととんでもない契約を交わしてしまった。
足を手に入れる代わりに、声を差し出す。
そして、3日の間に愛し愛され、キスまでしなければ俺は死ぬ。
『(いやいやいや、、無理だろ…無理だろうってッ!、)』
心の中では意外と饒舌に話せるのだが、魔女との契約により声が出ない。
後悔したって自分から望んだ事だ。
『(?、そうだったよな?)』
青年=魔女なのは分かっているものの、その時のことを思い出そうとすればするほど思考にモヤがかかって思い出せない。
彼は一体どんな顔をして、どんな声をして、いや…、そもそも彼は人間だったのだろうか。
『(わっかんねぇけど…、やっちまったもんは仕方がねぇ。切り替えだ切り替え…)』
足がふらついていたのも契約を交わした直後の数十秒のみ。
今はちょうど昼の十二時を過ぎた辺りだが、普通に歩けるし息も吸える。
『(いや…、それは当たり前か)』
ごちゃごちゃと混合している頭が心做しかストレスゲージを少しずつ蓄積させている気がして、昨日買ったばかりのガキタバコをぱくりと頬張る。
『!、(これめっちゃうめぇ…)』
もごもごと頬張ったラムネを砕いてからもう一箱開けてしまおうかと思っていた矢先に、ふらりと正面に影が出来た。
『?、』
人が少ないであろう正面ロビーのソファに座っていたつぼ浦は、ちらりとその人物の顔をみて若干表情がひきつる。
「つぼ浦、パトロールどうだった?」
その男は青井らだお。
不覚にも俺が好きになってしまった相手だ。
彼の事は昔から好きで、ふとした瞬間に本気で惚れてしまったのが運の尽きだった。
「…?、、」
『……、(グッジョブでもしとくか)』
青い鬼が首を傾げるので、これ以上怪しまれる前にビシッとサムズアップを示す。
「…まぁ、良かったならいいけど。別にギャングと揉めたりもしてないんでしょ?」
『(してねぇぜ。なんせ、ばあさんたちと昼飯食ってたからな)』
トラブルなど起こるわけもない。
代わりに予想外の出来事は起きてしまったけれども。
『(グッジョブだぜ。アオセン)』
もう一度サムズアップをすれば、青井は“ふーん”と淡白に呟いて、どサリとつぼ浦の隣に腰を下ろす。
『…、(まずいな。これバレるぞ)』
青井らだおは頭のいい人間だ。
そして察しも大変良い。
「…つぼ浦、お前なんか無口じゃない?」
『(ほらきた言わんこっちゃねぇ…、)』
訝しげな声色がロビーに溶けて、問われた本人はとりあえず聞かなかったことに出来ないかとガキタバコの箱をパカりと開ける。
「ねぇ、喉絞ってるの?」
そして真っ白で細長い1本のラムネをつまんで、ぽりぽりと食べる。
「……へぇ、俺の話よりラムネですかぁ…、ほ〜」
若干ピキっているようにも聞こえるその声に、つぼ浦はじんわりと汗を滲ませてチラリと青井に視線を向けた。
「花より団子みたいな感じ?、俺よりラムネ?」
『……、…、…はぁー…、、』
今の喉で唯一音として発せるのはため息のみだ。
半分だけぽりぽりと食べたラムネを加えながら、しばらく無言で真剣に考えて…それから不意に青井のヘルメットへと手を伸ばす。
「、…、なに?」
口元が見えるぐらいまでチラリと被り物を上へとずらして、それでも無抵抗なその口元にトスりとラムネを突っ込んだ。
「っ、ん…、…お前、…美味しいけどさぁ、え〜…?、人に食べかけの物をあげるのはどうなのよ」
仕方なしに青井もぽりぽりとラムネを砕いて、ほんの少しだけストレスゲージを減少させる。
『(クソ。やっぱ関節キスとかじゃ意味がねぇか)』
ワンチャンどうにかならないかと思ったが…、そもそもの話、相思相愛にならなければキスをしたとて契約の条件達成の意味を成さない。
『(俺は確かに…、…まぁ、好きだが…でもアオセンは違ぇだろうしなぁ…)』
心無きとも呼ばれる程の人間だ。
それでいて大人びているし、今まで迷惑しか掛けた覚えがない。
『(そんな俺を好きになってくれる可能性は、、いや。ねぇだろうな)』
被り物の奥の奥、青い瞳をしばらく見つめてから…、つぼ浦はまたため息を漏らして項垂れる。
「……。なーに?、つぼ浦。疲れてるの?」
あまりにも言葉を発さない後輩が少し…ほんの少しだけ心配で、青井はその肩をトントンっと軽く叩く。
『っ、』
ぴくりと身体を跳ねらせてからチラリとそちらへ目を向ければ、つぼ浦はなんとも言えないような表情を浮かべて…諦めたかのようにポケットからするりとスマホを取り出した。
トタタッ…とメモ帳アプリに短文を打ち込んでから、つぼ浦はそれを青井に見せる。
【3日後に俺は死ぬ】
「死ぬ?、何の冗談(笑)?、」
ロスサントスに死というものは存在しない。
都市の武器で、都市の事故で、とにかくこのロスサントスという場所で暮らしている限りは絶対に死ぬことはないのだ。
『…、…。』
【そういう契約だ。俺は3日後に死ぬ。だから俺のわがままを聞いてくれ】
端的に言葉を並べて、つぼ浦はよたりと身体を横にする。
青井の膝の上に頭を乗せて、きゅっと身を縮めて、一つ声にならない欠伸をしてから目を閉じた。
「、…、…つぼ浦、どうしたのお前…。俺に構ってもらいたいだけ?」
黒革のグローブ越しにその髪をさわりと控えめに撫でて、青井はつぼ浦の言葉を待つ。
しかしつぼ浦は何も言葉を返すことは無かった。
ただ少しだけ身じろいで、静かに寝息を立てるだけだった。
2日目になった。
つぼ浦はいつもの調子で真新しいソファから起き上がり、そして無線を繋げる。
無線の名前表記にはもちろん“特殊刑事課つぼ浦”と追加されるが、今日は一段と人が多く感じた。
『(…ン?、あぁ。昼過ぎてるからこんなに人が多いのか)』
昔だったら有り得ない人数だが、今の警察には沢山の後輩や部署が一緒くたになって無線を繋いでいる。
よくよく聞いてみれば十名以上もの警察官が忙しなく“3番無線、4番無線、各自対応お願いします”と割り振りの言葉を返していて、まぁこれなら俺が挨拶をしなくったって気にする奴はいないだろうと安堵した。
『(さぁーて。俺は何すっかなァ…)』
声が出なければ犯人に静止命令や説得(脅し)を言うことも叶わない。
『(事務作業かァ??、ぜんっぜんやる気出ねぇけどな)』
本当は休んでしまうのも一つの手だと思っていたが、あと2日で泡になってしまうのであればいつも通りの日常に溶け込んでいたいと思ってしまった。
その結果が事務作業なのがめちゃくちゃ癪に障る。
『(クッソ〜…、あんましやった事ねぇしよぉ。俺ばかだから…、いや、逆に出来すぎてぜってぇ計算とか合わねぇだろ。逆にな)』
開き直って仕方なしに何か出来ることは無いかと歩きはじめ、トタトタと階段を登ったり降りたり、迷路のような本署を適当に歩いてからやっと本署の裏手の出入口へとたどり着く。
ガチャリと扉を開けば陽の光が差し込んで、その瞬間に勢いよくドアを外側から開けられた。
「つぼ浦みーっけた!、さぶ郎〜!、らだお〜!、つぼ浦見つけたーッ!」
一瞬の眩しさに目を細めれば、“やったぁ〜!”と後輩の声が聞こえ、そのままぎゅっと片手を握られる。
「つぼ浦さんおはよぉ〜(笑)」
「なぁなぁ!、俺お前の挨拶言っていい?、もうめちゃくちゃかっこよく言ってやるからさァ!」
まだ何も反応を示していないのに、テンションの高い伊藤ぺいんは“まかせとけ!”と元気に胸を張って無線をオンにする。
「“特殊刑事課つぼ浦匠!、オンデューティーッ!”」
「“゙あ〜!、やられたーッ!”」
「「”ナイスデューティ〜”」」
他の署員の悔しがる声やゆるい言葉と共に、淡白な応答が後から重なるように響く。
『(アオセン…?、どうなってんだこれ、)』
キョトンとするつぼ浦の顔を見てから自身の腰に手を添えて、青井は口を開いた。
「んーとね…、…まぁ、お前が風邪ひいて声が出ない事みんなに言っちゃったんだよね。そしたら朝の口上はどうするんだって話になって…(笑)、見つけた人が代行する形になったみたい」
『(声出ねぇってバレてるし…、)』
まぁスマホで会話を試みていた昨日の今日なら、確かにバレていても仕方がないのかもしれない。
「風邪で喉壊すとなかなか治らないからね。つぼ浦さん、お大事に。安全第一です」
そう言ってさぶ郎がつぼ浦のスタッシュにころりと可愛らしい飴玉を何個か入れ込む。
「よーしつぼ浦〜!、今日は俺が最初に見つけたから、俺と一緒に事件対応な!」
“まじすか”とパクパク無意識に口元を動かして、その反応にぺいんがケラケラと笑う。
「大丈夫だって!、声真似は俺にまかせろ!」
「全然似てなかったけどね」
青井の言葉にコケッと頭を殴られ、ぺいんはそれでもつぼ浦と行動したいらしく“行くぞつぼ浦!、声はとにかく…ッ、言動は絶対真似できる!”と意気込んでつぼ浦の手を握る。
植木の草をガサガサと踏み越えて駐車場へと移動すれば、ちょうどよく付近のコンビニで強盗が起きていると通報が来た。
「行くぞ行くぞ〜!」
勝手に砂色ジャグラーをガレージから取り出して、ぺいんはつぼ浦を横に乗せる。
『ッ、っ、っはッ(笑)、』
つぼ浦は笑っていた。
車の窓ガラスを外からコンコンッとノックされ、それに気がついたぺいんがボタン一つでウィンドウを下ろす。
「つぼ浦、事件対応終わったら俺のところ来て。多分屋上でヘリ大臣してるから」
今日はあまり大型には行かないらしい気だるげな青井の言葉を聞いて、つぼ浦は軽く頷く。
「うん。じゃあ行ってらっしゃい」
「レッツゴ〜!!」
ぺいんは初手からジャグラーをかっ飛ばして、警察署前の電柱をなぎ倒して行く所までしっかりと再現していた。
それには青井も若干苦笑いを浮かべて緩く手を振る。
事件対応をして本署に帰還したのは意外にも数十分程のハイペースで、ぺいんが“もう打っちまうかァ〜ッ!”と意気揚々に呟いたのが要因の一つかもしれない。
『けほけほっ、』
「はぁ〜楽しかった(笑)」
犯人もろとも皆で大爆発の餌食となり、つぼ浦とぺいんは治療を完璧に受けてから救急隊に本署へと送って貰う。
「ありがとうございました〜」
「いいえ〜、お大事に〜」
『…、…。(笑)、』
クスクスと鼻で笑うつぼ浦を見つめた神崎が、数秒後には“あ、やべ”と言って消えていく。
しかし、当然のごとくつぼ浦は道路交通法違反を神崎に切って、“゙あぁもうお前〜ッ!”という声を背にそのまま屋上へと向かった。
『……、?、』
「ふぅー…、ん。つぼ浦、早かったね」
青井はちょうどヘリ大臣の仕事が終わったのか、パタパタと自分の顔をヘルメット越しに仰いでつぼ浦を見つめる。
「どうせロケランで解決したんでしょ?」
“アイツが乗り気だったからなぁ(笑)”と笑みを漏らして、ちょいちょいと手をこまねく。
「座りな?」
『、…。』
駐車場が見下ろせる位置でストンと座り込み、二人はしばらく楽しげな署員の姿を無言で観察する。
『………。』
そして、数分が経過してから最初に口を開いたのはもちろんの如く青井だった。
「…つぼ浦〜」
『?、』
「お前ほんとうに声出ないの?」
昨日はたまたま無口だっただけで、もしかしたら誤情報を他の署員に撒き散らした可能性も無くはない。
「まぁ出ないんだろうけどさ、、…ちょっと試してもいい?」
『(…は?、なにを?)』
うずうずと見え隠れするその声色に危険を察知し、つぼ浦は青井から距離を置くかのように物理的に1マス横にずれる。
しかしその行動はただただ青井の好奇心を助長させるだけであり、青井はパシリとその腕を掴んで昨日と同じ様にころりとつぼ浦の頭を自らに引き寄せた。
『っ?!、』
筋肉質な太ももに割と勢いよく頭を乗せて、つぼ浦は驚きでパシパシと瞬きを繰り返す。
「くすぐりま〜す」
『?、ッ、っ、っふ(笑)、ッはっ(笑)、ッ、゙っ、』
突然にこちょこちょと脇腹をくすぐられて、意味も分からずひたすらに掠れた空気と喉の震えを青井の耳に届ける。
『っは(笑)、ッ、っ〜、ッ、っ(笑)、ッはっ、はっ、ッ、…、はっ、ッ…、はっ、』
“おしまい”という声が聞こえて一気に身体を脱力させれば、そのままズルズルと仰向けにされて…青井の鬼の被り物がじーっと見下ろしてくる。
「……くすぐられても声が出ないなんて、お前相当喉壊したね」
『はっ、はっ、ッ、すぅ…、はぁ…、』
呼吸をする度に分厚い胸板が上下に浮き沈み、青井はひたりとその心臓部に手を乗せて問いかける。
「…ねぇ、お前ほんとうに死ぬの?」
やっと本題かと笑みを浮かべたつぼ浦は、青井の真剣な眼差しを一身に受けてコクリと頷く。
「笑うなよ。冗談っぽく聞こえるじゃん」
『(俺の身を案じてくれてるのかと思ってな(笑)、嬉しいぜ、アオセン)』
ぱくぱくと口を開けては閉じて、つぼ浦はまた笑う。
「3日って事はさ、…明日の夜中、十二時ちょうどにお前は死ぬの?」
まるでどこぞのお姫様のように、日付を跨ぐと共につぼ浦の命は途絶えるらしい。
「……でもさ、お前昨日、なんか変なこと言ってなかった?」
『?、』
「そういう“契約”だって。言ってたよね?」
契約とはすなわち、守らなくてはならない約束事だ。
「本当は何かを成し遂げれば、お前は死なないんじゃない?」
黒社会の映画でよくある多額の借金の返済が絶対に返済しきれない額にまで吊り上げられているとか、絶対的に困難な条件をつぼ浦が飲み込んでしまった可能性はゼロじゃない。
「どんな契約を交わしたかなんて知らないけどさ、それってお前にとって軽々と命を捨てた方が賢明だって思える程のものだったの?」
要は生きることを諦めないで欲しいのだ。
「……俺に、協力出来ることはないの?」
その言葉につぼ浦の身体がぴくりと反応する。
心臓はドクドクと脈打ち、心做しか耳も赤い。
「…まだ隠してることがあるの?」
するりと褐色な頬を撫でれば、一瞬だけ目を細めてまたパクパクと口を開く。
『(言ったところで、アンタは俺を好きになってくれるのか?)』
恐らくこれはただただ後輩が心配なだけの青井らだお…立派な先輩の姿だ。
俺は青井らだおという男が意外と面倒見がいいのを知っている。
今日だって俺の突拍子も無い発言に周囲がプチパニックを起こさない様にと、事前に手回しをした結果があれなのだろう。
嘘と誠を少しずつ混ぜ込んで、俺が声を出せなくても働けるようにしてくれたのだと勝手に解釈する。
『(アンタは良い奴だからなぁ(笑)、…俺は、アンタには釣り合わねぇし、、きっと最初っからこういう運命だったんだ)』
「………、何言ってるかわかんないよ、つぼ浦」
青井がそう呟けば、つぼ浦はクスクスと笑って青井の手に柔く擦り寄る。
『(明日でお別れだな。アオセン)』
つぼ浦が何も答えてくれないのを悟り、青井はつぼ浦の胸に添えていた手のひらをぎゅっと固めて拳を作る。
クシャりとTシャツにシワが出来て、それでもつぼ浦は幸せそうに笑みを浮かべていた。
「……、…。」
青井は鬼の被り物のその下で、静かに奥歯を噛み締めることしか出来なかった。
最後の日だ。
俺は今日をもってお役目御免、さようなら、泡となる訳だが…、、お昼ご飯を食べてからチラリとスタッシュに目を向ければ、そこには見慣れない物が一つキラリと鎮座していた。
『(ん?、ンだこれ…、)』
マスに収まっているところを見るかぎり、それは取り出しが可能なものであるという証拠でもあるのだが、如何せん怪しい。
だってキラリと光るだけ光ってどんな物なのかはさっぱり分からないのだ。
スタッシュのその一部分だけにモヤがかかっているかのような…、とにかく取り出して現物を見なければ分からない代物になっている。
『……、(怪しい。怪しすぎるぜコイツ…、)』
顎に手を添えて、しばらく唸って、それから意を決してガッと掴んで取り出してみる。
『、…?、……?、』
どうやらキラリと光っていた原因はその見てくれにあったらしい。
取り出した瞬間にとんでもなく切れ味の良さそうな銀製のダガーナイフが手元に現れる。
ひんやりとしたそのナイフを凝視して、それでも自分がいつこの物騒な代物をスタッシュに収めていたのかさえ思い出すことが出来なかった。
『(あぶねぇな。こんなもんいつ押収したんだ?)』
声が出ないので罰金や押収も他の人に全て任せていたはずだ。
『…、(まぁ、捨てりゃあ問題ねぇか)』
共有のキッチンスペースにあるゴミ箱にガコンッと捨ててから、一つ息を漏らして空になったであろうスタッシュのひと枠を眺める。
『!、(あるわ、…は?、戻って来てるんだが?)』
見間違うことなど有り得ない。
どう見てもモヤのかかったそのひと枠。
『……、…。』
もう一度取り出してガコンッとシュート。
そしてスタッシュを見る。
『(…うわ、捨てれねぇんだこれ…、)』
まるでそこにあるべき物なのだと主張してくるかのような往生際の悪さだ。
つぼ浦はぴくぴくと眉間に皺を寄せて、盛大にため息を漏らしてから渋々それに目を瞑る。
言わば諦めだ。
『(クッソ…、何かモヤかかってるし、多分あの魔女の仕業だろ…、)』
思い出そうとすればするほど頭にモヤがかかるあの現象と似たような光景が、何故かスタッシュの中にちんまりと具現化されている。
『(何でもありかよ…、)』
少しの苛立ちをかき消すかのようにガシガシと頭を引っ掻いて、つぼ浦は今日のバディである第一発見者、ミンドリーの元へと向かった。
駐車場へと足を踏み入れればもう目と鼻の先に居て、つぼ浦はその背中をトントンッと軽く突く。
「ン。つぼ浦、休憩できた?」
『(グッジョブだぜ。ドリーさん)』
至って真面目にサムズアップをし、つぼ浦はコクリと頷く。
「…。うん。じゃあ行こうか」
朝の勤務から夜のパトロールまで、ランクの高いミンドリーがわざわざ大型犯罪の検挙に参加せず、四六時中つぼ浦の様子を見守っているのだ。
つぼ浦とてそこまで頭の回らぬ人間ではない。
トタタッ…とメモ帳アプリに言葉を並べて、つぼ浦はその画面をミンドリーに見せる。
【アオセンに何か言われました?】
「ン。…まぁそうだね。でも安心して、どうやら俺にしか言ってないみたいだから」
慌てることも追求することもせず、ただただつぼ浦の日常に寄り添って見守るだけの存在。
【今日1日、なにをそんなに警戒してたんですか?】
「あれ(笑)、バレてたの?」
つぼ浦が頷けば、ミンドリーは小さく息を吐いてパトカーを脇道にとめる。
辺りは薄暗く、街頭の光が時折チカチカと光っていた。
「そっかぁー。…いやなんかね、契約?、だっけ。破ったら死んじゃうんでしょ?。だからつぼ浦が誰かに殺されないように…、ずーっと警戒してたんだよね」
“まぁそれも頼まれた事だったけど…”と控えめに付け加えて、ミンドリーは言葉を続ける。
「それとね、もしつぼ浦が今夜死ぬ可能性があるとするなら、もう一つはあれだね…」
『、…、』
途端に雰囲気の変わったミンドリーにごくりと喉を鳴らして、つぼ浦は車のドアに手をかける。
「つぼ浦が自らどこかへ消える。逃げていく?、ことかな。…まぁ、逃がさないけどね?」
ガチャンッ、カチャンっ、。
二つの音が重なって、その一瞬でつぼ浦の身体は拘束される。
『゙っ?!、ッ、、』
「はぁ…、やっぱりどっか行こうとしてた?。そうだよね、ずっと人知れずどこかに行く機会を探してたみたいだし…。危ない危ない…」
ミンドリーはやっと安堵出来たのか、少し甘めな香りのするタバコを吹かしてまたパトカーを走らせる。
もちろん目的地は本署だ。
「死に際の猫じゃないんだから、そういうそそっかしいことはやめな?」
『(最悪だ…ッ、逃げられなかった、クッソ…、もっと前から気がついてりゃあ、、゙あ〜くそッ…、)』
12時を過ぎる前に、どこか人知れず泡になれる死に場所を探しに行こうと思っていた。
どうせこの恋は報われないし、今日死ぬことは青井らだおただ一人しか知らないと高を括っていた。
どうやら居もしない敵に暗殺される事も許さないし、自ら死に場所を探しに行くことも許されないらしい。
まぁどう足掻いても俺は死ぬが、一番恐れていた状況に近づきつつある。
「パトロール終わったよ。はいどーぞ」
「ん。ありがとうドリさん」
自身の手首に付けられたその手錠を真剣に眺めながら、カチャカチャと運良く外せないかとひたすらに試すつぼ浦。
ミンドリーから青井の手へと渡り、そこでやっと護送している相手が青井だと気がついたらしい。
『っ、ッ…、』
途端に俯いて大人しくなったつぼ浦を運びながら、本署の中へと入ってまたすぐ横の会議室に足を踏み入れる。
夜遅くの11時過ぎに、もはや会議室などを使用する警察はもういない。
窓から差し込む月の光が淡く二人を照らし、青井はゆっくりとつぼ浦の身体を壁にもたれ掛かるように下ろす。
「……。はぁ…、…つぼ浦、もうすぐ十二時になるよ?」
しゃがみ込んで時計を見ればあと十分程だろうか。
つぼ浦もチラリと時計を見て、きゅっと口を噤む。
「…もしかして、見られたくなかった?。十二時を過ぎる瞬間」
『ッ…、…、、』
その通りだった。
十二時を過ぎたら泡になる。
跡形もなく消えて無くなる。
「…そんなに辛い表情をしてるって事はさ…、、俺がここでお前を守っても、何の意味もないの?。…呪いか何かで、、死んじゃうの?」
陰陽師だってこのロスサントスにいるのだから、本当に人を呪い殺せてしまう凄腕の呪術師が居たって何ら不思議はない。
『(…まぁ、似たようなもんか…、)』
魔女の契約も人を泡に変えて殺してしまうのだから、呪いとさほど変わらない。
『…、…。』
もう助けることを諦めて欲しくて、つぼ浦はコクリと静かに頷いた。
そして冷たい手錠に一度目を向けて、何も言わなくなってしまった青井に両手を差し出す。
「……、…外して欲しいの?」
つぼ浦が素直に頷けば、長く長くため息を吐いて…青井は手錠を外そうとつぼ浦に近寄る。
「…。…あぁ、その前にさ、荷物確認していい?」
暗い暗いその声色で、青井はつぼ浦のスタッシュを軽く眺める。
「………?、つぼ浦、これなに?」
職業病でつい怪しいものを抜き取ってしまうその癖が、どうやら意味もなく発動してしまったらしい。
つぼ浦のスタッシュからそれを抜き取って、手に収まった物はキラリと光るダガーナイフ。
『!、』
「……これさ…、、この都市のものじゃないでしょ?、つぼ浦」
ゆっくりとそう告げれば、つぼ浦の額からじわりと汗が滲み出る。
「………つぼ浦、死んじゃうんだよね?」
『、ッ、、』
「じゃあさ、……俺も一緒に、死んじゃおうかな」
かぱりと取り外したその被り物から現れた表情は、なんとも言えない歪んだ笑みを貼り付けて…、今にも本気で心中を図りそうな雰囲気を醸し出していた。
『(…は?、なに、考えてんだ、?、アオセン?、)』
一気に青ざめたつぼ浦の顔が、パクパクと口を開いては閉じて…、そしてカタカタと震え出す。
「俺は本気だよ?、お前が居ないとつまらないし…、お前が死ぬなら、俺も一緒に死ぬ」
刻々と時間は迫っていて、青井はチラリと時計を見てから自分の胸にその刃を宛てがった。
「すぅ…はぁ…、、呪いって中々すぐには死ねないらしいね。だから俺も、ゆっくり死ねるようにここを刺すよ(笑)、今刺したらきっと、つぼ浦と同じくらいに意識が途切れるかな…、」
“確証はないけどね”と悲しげに呟いて、青井はつぼ浦に優しい笑みを浮かべてから腕を振り上げる。
『?!、ッ!、』
「、ッ…、っ…、」
そのナイフが胸に突きささるよりも先に、つぼ浦が拘束されたままの両手で勢いよくその手首をガシッと掴んだ。
『ッ、゙っ、』
なだれ込んで青井の身体に乗り上げ、必死に青井の腕を掴んで離さない。
「、つぼ浦、離して、…、つぼ浦、お願いだから、……つぼ浦、」
胸の先スレスレで刃がキラリとひかり、つぼ浦はポロポロと涙を流す。
月の淡い光が逆光となり、なんだかその姿が物語のワンシーンのように美しく見えた。
「………、…、…はぁ…、、」
青井はその姿を目に焼き付けてから、ゆるゆると力を緩めてナイフをコトりと床に置く。
「…分かったよ、死んで欲しくないんでしょ?、…ごめんね、泣かせちゃって」
カチャリと手錠を外してから、青井はつぼ浦の涙に濡れる頬をそっと撫でる。
「見届けるよ、お前がそう望むなら…、」
色付きのサングラスをそっと外せば未だにボロボロと泣いていて…、最期にしては余りにも可哀想で可愛い表情だなぁと思いふける。
『゙ッ(泣)…、ッ、゙っ、』
掴まれた腕には爪が食い込んで、そのままダンッ!と床に押し付けられた。
そして、羽交い締めにされた状態の無抵抗な青井の顔に、つぼ浦の顔がグッと近づく。
『…、っ…、゙ッ(泣)…、…、…ン、っ。』
少し躊躇してから息を吐いて、きゅっと口を結んだその唇がふにりと青井の口元を静かに奪う。
「ン、っ、……、」
いつまでもそうしていたいと思った。
名残惜しそうな青井の瞳とは裏腹に、つぼ浦はゆっくりと顔を離してか細く息を吐く。
『っは…、は…、は…、ッ、じゅ、十二時、過ぎた、』
「……え?、つぼ浦、…声、」
『達成した、ッ、条件、クリアしたぜ、』
もう死んでしまうのならと、勇気を出して青井に口付けたのが11時58分過ぎ…あと2分で完璧に泡と化すところだった。
『アンタが俺の事を好きになってくれたから、っ、どうにか、なった、はぁーッ…、死ぬかと、思ったぜ…、』
相当に切羽詰まっていたのか、つぼ浦の身体はふにゃりと脱力して青井の身体に倒れ込む。
「、ちょっ…と、…つぼ浦、よく分からないけど…、じゃあ、お前はもう死なないんだね?」
『あぁ、死なねぇぜ、泡になんてなってたまるか…、…?、…つーか、俺……誰と契約してたんだっけな…』
困惑するつぼ浦をぎゅっと抱きとめて、よしよしと優しく頭を撫でる。
「もう何でもいいよ…。お前が生きてるなら、それでいい」
穏やかな声色でそう呟き、青井はつぼ浦の耳元で囁く。
「ねぇつぼ浦…、俺はお前のことが大好きだよ。…つぼ浦は、俺の事すき?」
『っ、ぐッ…、っ、はぁ、…あぁ、そうだな、………すき、だ、』
無理やりキスをしたことなど忘れてしまったかのように、つぼ浦は初心に言葉を連ねて顔を真っ赤に染める。
「んふふ(笑)、そっかぁ…、」
ゆるく温かな雰囲気が漂うその空間に混じって、パチンとつぼ浦の耳元にスナップ音が一つ。
“魔法を解きましょう。物語はおしまいです”
『、……、?、』
「どうしたの?、つぼ浦」
『あぁいや、…?、何でもねぇ…、、アオセン、ありがとうな』
パタンと閉じられた分厚い本の端っこには、その所有者の名前が丁寧に記されている。
その名はニャルラトホテプ。
狂気と混乱をもたらす、人間が知りすぎてはいけない存在の一柱である。
慎ましく満足気に笑みを浮かべるその姿は、もはや青年なのか少女なのか、はたまた老人の姿なのか…、つぼ浦には思い出すことすら出来なかった。
しかし、確かにあるのはこの温もりと安堵感。
それだけでもう…、十分幸せだと思うべきである。
新章、人魚姫[完]
コメント
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1つの映画見た気分です 最高でした!これからもお話楽しみにしてます*ˊᵕˋ*