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目が覚めると、そこはベッドの上であった。
隣を見ると、そこには真っ白な髪の美少女がいた。
彼女こそ、白の女王様である。
彼女は優しく微笑みながら言った。
「おはようございます。気分はいかがですか?」
そこで、自分が生きていることに驚くアリス。
しかし、すぐに納得した。
目の前にいる美しい女性こそが、自分を救った張本人だと分かったからだ。
「ありがとうございました。おかげで助かりました」
深々と一礼すると、アリスは扉に向かって歩き出します。
そのあとを追ってペーターもついて行きます。
「ねえ、アリス。僕と一緒にいてくれるよね?」
「えっ!? いえ、わたしもう帰らないといけないんです!」慌てて振り向いて答えるアリスです。
「そんな! ひどいよ。僕のこと嫌いになったのかい? 僕は君のことが大好きなのに!!」泣きそうな顔で訴えるペーター。でも、アリスの決心は固いのです。
「ごめんなさい。わたし……やっぱり帰れないわ。だって、家族もいるし友達だっているもん。あなたみたいにひとりぼっちじゃないの。それにね…………」
そこでちょっとためらうような仕草を見せながらも、意を決したように続けます。
「ここには悪い人たちしかいないってわかっちゃったから。だから、一緒には行けないわ。さよなら」
それだけ言うと、彼女はとても嬉しそうな顔になるのですけれど、すぐに困った表情になってしまいました。
「でもね、わたしアリスじゃないよ」
ああ、やっぱりです。
アリスを探しに来たはずなのに、肝心の本人が否定してしまっています。
「えーっと、じゃあお名前は?」
「みけ!」
「みけちゃんですね! よろしくお願いしますっ!!」
みけと名乗った女の子の手を取ると、ペーターは勢いよく上下に振ります。
すると、みけちゃんは笑顔を見せてくれました。
「うん! こちらこそよろしくね!」
そんなアリスを見て、ペーターは肩を落としています。
どうしたのかしら? 首を傾げてみると、ペーターはため息混じりに言いました。
「アリスじゃないなら仕方ないけど……あなたは一体誰なんですか? どうしてここにいるんですか? まさか、迷子になったわけでもないでしょうに……」
ペーターの言葉を聞いて、今度はアリスが慌てる番でした。
「えっ!?」
アリスの世界って確か、最後にアリスが帰っちゃったらそれで終わりだったんじゃなかったかしらん?! それじゃ、私の冒険の意味がなくない?? それに、そんなことしたら絶対帰れなくなるよー!! どうしよう……やっぱり、このまま帰るしかないのかなぁ。