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襖を開ける。畳の匂い。
広い和室。
敷布団が六つ、きれいに並べられている。
エドワードが目を輝かせた。
エドワード「……おお〜、いいね!」
スケルが即座に走る。
スケル「あ!俺あそこにする!」
端っこの、一番壁際を確保。
なぜか勝ち誇った顔。
内田は荷物を静かに置く。
オリバーは伸びをしながら言った。
オリバー「俺ここな!」
ちなみに、オリバーは過去に何かやらかしたらしく、エンゲルに恨まれている。
そのせいで部屋割りは大揉めだったらしい。
(詳細は誰も教えてくれない)
普段は真面目なルビーが、今日は妙に柔らかい。
ルビー「…今日ぐらいはしゃいでもいいよね……?」
内田は注意する。
内田「和室は畳が沈むから暴れるなよ!」
スケルが振り向く。
スケル「詳しいね。」
ルビーがじっと見る。
ルビー「…もしかして日本人?」
内田「正解。」
ジップが突然走り出す。
ジップ「きゃっふ〜!」
オリバーの背中を踏む。
オリバー「ぐはっ!?」
エドワードの足を蹴る。
エドワード「イテッ!」
そのまま羽毛布団にダイブ。
ぼふっ。
内田は眉をひそめる。
内田「……どうしたんだ」
ジップは布団に埋もれながらボケた。
ジップ「ヤバい、トナカイが乗り移った(?)」
一瞬の沈黙。
そして、和室が爆笑に包まれる。
エドワードが手を叩いた。
「折角だから、色々語ろうよ!」
ルビーが即賛同。
「いいわね!」
内田は畳の敷布に座り込む。
内田「ご勝手に…。」
今日のルビーは完全に真面目キャラを捨てている。
スケルが横になりながら言う。
「語らないで寝ないか……?」
眠そうだが、妙にテンションがズレている。
内田は時計を見る。
21:56。
「え〜と、明日の起床は6:00か。早いな。寝るぞ」
約8時間。
ルビー「ちぇ〜。」
ジップ「なんで!いいじゃん」
内田は真顔。
「睡眠不足は事故の元だぞ。」
場の空気が一瞬だけ変わる。
冗談ではない。
森の外。
ヨシエたちの襲撃。
徹夜で判断が鈍り、
多くの犠牲が出た。
昼夜逆転で何とか持ち直したが、
睡眠は本当に大事だ。
内田は小さく息を吐く。
「……明日は…スキーだったな……?」
全員がぴたりと止まる。
「寝ます。」
即答だった。
内田が頷く。
「よし、おやすみ。豆電球も消すからな。」
パチン。
部屋が暗闇に包まれる。
久々に、真っ暗闇で眠れる。
静かな畳。
雪山の夜。
……だが。
普段からの学校生活から解放されたFPE生徒たちが、
大人しく寝るはずもなかった。
暗闇の中で、
誰かの小さな笑い声が響く。