side深澤
昨日のことで頭がいっぱいであまり寝付けなかった。
今日は休みの日。
ゆっくり家でのんびりしたいところだが…
昨日の紙切れが気になって、照に連絡しようとする。
でも、LINEもブロックされて、電話をしようにも電話番号を変えられたみたいでもう為す術がない。
どうしようかと悩んでいると、佐久間からまた、連絡が来た。
『今ふっかの家の前』
それだけだった。
今から遊ぼうとしているのだろうか
それにしても、佐久間が自分から俺の家に来るなんて、めずらしい。
何か、急な用事でもあるのだろうか。
『インターホン鳴らして』
そう送ると、すぐに既読がつき、インターホンが鳴る。
オートロックを解除して佐久間を入れる。
「どうした?」
「なぁ、照知らない?」
急な照の話題に戸惑う
「……いや?」
「…なんかあった?」
佐久間は、こういう時ほど勘がいい。
「なにが?」
「逆に、照がなんかあったの?」
「なんかさ、LINEがブロックされてて」
「お前らカレカノだろ?」
「なんか知ってるかなって思って」
佐久間もLINEがブロックされていたなんて。
もしかして、
「ほかのメンバーも?」
「そうみたい」
なんで、いきなりこんなことに。
照?
ねぇ、教えてよ。
「ほんとになんも知らない?」
「俺らさ、別れたんだよね」
「は…」
「え、お前らあんな仲良かったじゃんか…!」
「なのに、なんで急に…」
「…わかんない」
「なんだよ…それ…」
「俺だって…!わかんねぇんだよ……」
ねぇ、
照。
なんで別れたの?
教えてよ……
早く……
「ふっか…?」
「何?」
「スマホ鳴ってる」
佐久間に言われて初めて気付く。
「ほんとだ」
見ると、マネージャーからだった。
「出ていいよ」
「ありがと」
佐久間に待ってもらって電話に出る
「もしもし?」
『あ、深澤くん!?』
焦ったようなマネージャーの声に嫌な予感がする。
「どうしたんですか?」
『岩本くんが…』
照が出てきて、嫌な汗が背中を伝う
『岩本くんが倒れて病院に運ばれた…』
「え…」
『今、検査してるとこなんだけど、これから結果出るから深澤くんも来てくれる?』
「すぐ行きます!」
『ありがとう』
「あ、あと、佐久間も一緒にいるんですけど」
『一緒に来て』
「はい…」
『○○病院ね』
そこで電話は切れた。
「誰から?」
「マネージャー」
すぐに病院に行きたいので準備を始める
「なんて?」
「照が倒れて病院に運ばれた」
「え…」
「いくよ」
「行くって……」
「病院だよ」
準備が出来たので家を出る
そのあとを佐久間が着いてくる
佐久間の車に乗り込んで病院へ向かう
その間、俺らは終始無言だった。
空は、スッキリとした青空で、どこまでも果てしなく続いていきそうだった
『はい!おっけーです!』
「お疲れー」
俺に声をかける佐久間
「俺の出番なくね?」
台本を見て驚く照
やっぱそれぞれだなぁって思う
「なかったなぁ!」
そう言って笑う佐久間
「ひかるーーー」
そう言って俺は照に抱きつく
すると、一瞬で照と離れる
どうやら、佐久間が離したらしい
「何すんだよ」
「考えて?ここ、スタッフさん大量にいるんだよ?」
「こんなとこでイチャつくバカがどこにいんだよ」
ごめんなさいね!ここにいますよ!!
そんなことを話しながら俺らは次の撮影の準備に取り掛かった
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!