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彼には友達が多い。
女の子も、男の子も、どちらからも人気。
私は後輩で、彼は先輩。
付き合っているけれど、会えるのは朝と放課後だけ。
貴「付き合ってるって言うか兄妹じゃん!?」
友A「あー落ち着いて!確かに妹扱いしてるなぁと思うふしはまぁ…はい。」
貴「だよね!?だよね!?!?」
そう。彼は私を妹だと思っていると思う。
朝、”今日も可愛ええなぁ❤︎”なーんて言葉は貰えない。
実際は、”あっはっは!!お前カバン全開やん物落とすで!”と、大きな声で笑われる。
放課後、”疲れたー、癒して?❤︎”なんて先輩には珍しい可愛い甘々な姿が見られるわけもない。
実際は、何故かいつも集合は裏口。
“はよ帰って寝たいなー、ほんま学校ってなんでこんな疲れんねやろ”と、やたら早く帰ろうとする。
貴「…付き合うとは?」
友B「…逆に優しさだったり?」
貴「どーいうこと!?どう見ても子供扱いじゃないこんなの!!!」
友C「落ち着け、作戦はある。」
貴「作戦、?」
友C「名ずけて、”大人の色気で先輩をロックオン❤︎私の事、ちゃんと見て?” 作戦よ!!」
貴「おおおおお!!なんか凄そう!」
友A「名前がダサいのよ」
友B「やっすいA○タイトルみたーい」
友C「まぁ聞いてから言ってよ」
作戦はこう!
・放課後までにちょっとした大人の一言を覚える
・制服を少し着崩す
・髪をゆるーく巻く
・リップを塗って唇プルプル❤︎
友C「完成…これぞ可愛さMAX!」
友A「これは行けそうだな」
友B「いい…とてもいい感じになってる!!」
貴「ほ、ほんと…?いつもと違うって嫌われたりしないかな…?」
友A「自信持ちなよ…逆に他の人から襲われないようにね?」
貴「え…どういう意m((」
友B「はーいじゃあさっき覚えたセリフを思い出しながらもう1回先輩を落としてこーい!」
友C「結果はまた明日、待ってるね〜」
貴「あ、ありがとう!私頑張る…絶対彼女になってくる!!!」
友C「もう彼女だけどな〜」
あっという間に放課後で、鏡を見る時間もなく夕日の差し込む廊下を走る。
可愛いかな?
今なら私ちゃんと先輩の彼女になれる?
お願い、今日はいつもよりもっと、
貴「お待たせ〜!」
丈「ええよ〜、でも何してたn…((」
近くに行きたい。
丈「…なに?その格好」
貴「え?あ…ちょっと可愛く…してもらっ、た?」
丈「…」
あぁ、似合わなかったのかな
私まだやっぱり子供だから、丈くんの彼女になれないの?
妹みたいなままなの?
貴「…っごめん!似合わなかったよね!?すぐ直s((」
丈「かわえ…」
貴「、え?」
丈「可愛ええよ…めっちゃ似合ってる」
貴「ッ!」
カッと顔に熱が上がってきて、多分今見せられないくらい真っ赤だ。
思わず手で顔を隠して下を向いた。
貴「あ、ありがとう…ッえっと、帰ろっか!」
丈「…待って」
貴「あぅっ、」
前に進んだ私をグッと引き寄せて、今までにない距離の近さで目と目が合う。
付き合って初めて、こんなに近いの。
貴「なに…、えっ…」
丈「朝はこんなんや無かったよな?いつからこんなカッコなん?」
貴「さ、さっきさっき!!」
丈「このカッコで男の近く行ってへんよな?」
近すぎてまともに目も合わせられない。
丈「目逸らさんと、ちゃんと顔見て?」
貴「〜〜ッここ学校の前だよ!?」
丈「裏口やから誰もおらんやろ。」
貴「〜〜〜、ッ」
恥ずかしくて
こんなにグイグイ来られるの初めてだし
あれ?ちゃんと彼女っぽくなれてるなぁ私。
貴「…ねぇ、私丈くんの彼女だよ?」
丈「?そやで?」
貴「…じゃあ、もっと私の事女の子として見て?」
丈「ッ…いや、見てr((」
貴「この先も、ちょーだい?」
さっきの大人なセリフは全部飛んじゃった。
私が思ってたこと言っちゃった。
お願い、このままもっと近くに来て。
0cmまで、もうちょっと。
3…2…1…
貴「ンッ…」
初めての触れるだけのキスは、なんか長くて甘くてふわふわしてた。
丈「…あかん、めっちゃ好き」
耳元で響いた彼の声も、体が浮きそうなくらい甘かった。
《彼女にして》