今夜もつまらなくて欲求のままの…ああそうだ、動物の交尾みたいな行為が終わった。
あの人は気持ちよくセックスに溺れる愛人を演じきった俺の頬を撫でて満足げだ。
💚「もう帰るんですか?」
『帰らないなら帰らないで面倒だから』
💚「そうですよね」
『お前が聞き分け良いから助かる』
💚「いえ。寒いので気をつけて」
そうして、あの人は煙草臭いキスをしてお金を置いて出ていった。
いつからこうなってしまったんだろう。
あの人は、憧れの人だった。
ただ尊敬していて、初めて会えた時にそれを伝えたら喜んで話を聞いてくれた。
プライベートで何度か食事に連れて行ってもらい、しばらく経ってから複数人で飲んだ場で口説かれて、はめられるように2人にされて……
あの人は既婚者で、俺に愛人になれと言った。
奥様とはレスらしく、愛人という名の都合の良い性欲の吐き出し口だったわけだが。
ため息をついて寝転がる。
💚「こんなはずじゃなかったのに」
純粋に尊敬していただけ。
最初だけ食事に連れて行っていたのは飼いならすためだったのだと、ホテルに直呼びされるようになった今ならわかる。
でもまだどこかで、やっぱり俺の尊敬する素晴らしい人だったんだと思える日が来ると信じたくてこの関係を断ち切れずにいる。
コメント
6件
おはよー!今か今かと更新待ってました😆 今回は珍しい作品やね!楽しみだあ!