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由天。
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この日のことはよく覚えてる。
10月23日。
友達2人と喧嘩をした。
友達なんだから、そりゃ喧嘩もあると思う。
でもそれがただの喧嘩で終わらなかった。
喧嘩した次の日。
みんなに無視をされた。
挙句の果てには友達に「この席まじでやだ」
と言われる始末。
わたしはこの日から、
自分の長所である明るさを消した。
11月18日。
もう一度、大和に同じ言葉を口にした。
「好き」と。
わかっていたはずだった。
答えは、きっと変わらないって。
わたしは、友達にも嫌われ、
居場所がなかった。
だから、居場所を作りたかっただけだった。
大和は少しだけ間を空けて、言った。
「多分気持ちは変わらんと思う。」
「今の関係を楽しみたいからさ」
その言葉は、優しい形をしているのに
ちゃんと線を引いていた。
また、選ばれなかったんだって、
静かに理解した。
3回も告白して、駄目だった。
ならもう、潔く諦めるべきなのだろう。
好きな人の彼女になれないことが、
どれだけ辛いことなのか、
今初めて理解した。
私、何やってんだろうって。
恋ってこんなんだっけって。
恋ってこんな関係に
ならないといけないのかなって、 何度も思った。
11月26日、27日。
あの日のことを、上手く言葉にするのは難しい。
嫌だった、って言い切れるほど単純じゃなくて
よかった、って思えるほど軽くもなかった。
わたしは、断れなかった。
服の中に大和から手を入れられた。
断れなかった理由は単純に、好きだから 。
嫌われたくなかったから。
ここで拒んだら、全部終わる気がしたから。
だから、「いいよ」って言ってしまった。
本当は迷っていたのに、
本当はちゃんと考えたかったのに、
その時間を自分に与えなかった。
それは自分のせいだとも思う。
だけど、それだけでは終わらなかった。
次の日、28日、30日。
さらにわからなくなった。
大和と同じ部活の人。
大和の時と同じことをされた。
どうしてそうなったのか、
流れも、理由も、全部が曖昧なまま進んだ。
また、断れなかった。
ここでも、はっきり「嫌だ」と言えなかった。
自分でも何を守りたかったのかわからない。
何を壊したくなかったのかも、わからない。
ただ、その場をやり過ごすことだけ選んだ。
終わったあと、残ったのは 同じ感覚だった。
空っぽに近い静けさと、遅れてくる後悔。
そして、この日からだろう。
大和が冷たくなった。
この時は理由なんてわからなかったけど、
今思えばわかる。
きっと、大和は女遊びの候補だった私が、
他の男に取られて癪に触ったのだろう。
11月の終わり、恋はもうとっくに形を失っていた。
好き、という言葉だけが残って
その中身は少しずつ壊れていく。
大事にしたかったはずなのに。
ちゃんとした恋にしたかったはずなのに。
どこで間違えたのか、もうわからなかった。
ただ一つわかるのは、
わたしはあの時、自分の気持ちよりも、
“嫌われないこと”を
選び続けてしまったということ。