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蓮side
結局康二が事故にあった日、俺は何も出来なかった
阿部ちゃんは俺のせいじゃないと言ってくれたが
そんなことない
俺がもっと康二と向き合っていればこんなことにはならなかった
康二が目を覚ました時にちゃんと謝りたい…のに、
こんな俺が会いに行ったとしてもまた康二を傷つけてしまうのではないか
康二に合わせる顔がない
だが生憎、今日、俺がオフだった
もう少し気持ちが安定したから行きたかったが…
いや、でもやっぱ行こう
みんなも忙しい中見舞いに行っているんだから
二週間ほど仕事で忙しく見舞いに行くことがなかった
その間も康二は眠ったままだ
本当に生きているのか不安で押しつぶされそうになる
そんなことを考えている間にあっという間に病院に着いた
康二の病室の前で立ちすくみ一度深呼吸をして扉を開ける
…やはり、康二は眠ったままだった
蓮「ねえ、康二、俺ちゃんと目見て謝りたい」
蓮「もしかしたら、康二はもう俺の事なんか嫌いになったかもしれないけど…」
蓮「その時はまたゼロから初めて好きになって貰える様、頑張るから…だから…」
蓮「起きてよ…」
康二の手を両手で握りしめ、涙を流した
蓮「康二の声が聞きたい、康二の笑顔が見たい」
蓮「お願い…」
…ピクッ
蓮「え?…」
ほんの一瞬、康二の指が動いた
蓮「康二?、康二!」
康二「…んっ」
康二が少しずつ目を開いていった
康二「め、め?…」