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第弐話【彼奴】
あの日。
学校から帰っていた時。
あの時は、
確かに幸せだった。なのに。
なんで、
こうならなければいけなかったのか。
「おまえ、上機嫌だなー」
クラスメイトから、声をかけられる。
その声は、男子のアン・ビションだった。
アンは、人をからかうのが大好きな男子だ。
「アンか」
おれが振り返ると、アンはにやけていた。
「おまえが珍しく上機嫌だったからなー。何があったんだ?」
「へへへ、実はな―。聞いておどろくなよ、テストの点数が、40より上だった!」
「ええええッ!!」
アンはおれが「おどろくな」といってもおおげさにおどろいた。
まあ、おれはバカだから、30点未満は当たり前だった。
でも、今回だけはがんばった。
父さんと母さんに「今度こそ頑張ってね」と言われたからだ。
母さんに「こうしたら成果がでるわよ」と言われた方法をかたっぱしから試した。
そうして勉強して、ご褒美とか、そういう方法でやっと40点以上がとれた。
テストの点数を見たときはおどろいた。
だって、本当に成果があるもんだから。
すぐに、「父さんと母さんに見せたい」って思った。
だから今、すごくわくわくしてる。
「ふーん。テスト返された後は顔真っ青だからな~…。おまえ、やっと40点以上取れるようになったんだな、
これでようやく一歩目だ」
「う。うるせー!」
本当に、アンはからかうのが好きだ。
でも、家に帰れば。
いつもみたいに怒られない。
「ここで分かれ道…。また明日な!」
「ああ!アン、また明日!」
走る。もう、すぐ帰りたかった。
でも、なぜか、
家からものすごく生臭いにおいがした。
「………?なんだ、このにおい…。
おーい、父さん?母さん?」
返事がない。
嫌な予感がする。
なんでかわからないのに。
家の中に入ると、
赤黒い血が出迎えてきた。
「…っ!父さん!?母さん!?」
まだ、返事がない。
二階へ上がる。
すると、父さんの部屋で、
父さんが、血だらけになって倒れていた。
「………っ!!父さん!!父さん!!どうしたんだよッ!―
…つ、冷たい、…クソッ!!」
急いで父さんの部屋から出る。
こけかけるが、体制を持ち直し、
すぐ、走りに行く。
「母さんッ!!」
母さんの部屋のドアを開けたとき、
母さんも、父さんと同じように倒れていた。
「かあ………さん、」
もう冷たい母さんの手を握りしめ、
うなだれる。
もう、どうしようもない。
「どうすれば、いいんだよ…」
「君の両親を殺した奴に思い入れがある。どうだ、聞くか?」
はっとした。
此の人は、何かを知っている。
「はい。お願いします」
「…うむ、わかった」
真剣な俺の目を見て、その人は語りだした。
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