テラーノベル
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悲しそうな背中を見せる仁人の頬に缶コーヒーを当てた
「冷たっ」
『どーしたのよおいちゃん、悲しそうじゃん』
「ん?いやー特になにもないよ」
『そう?言った方が楽になるかもよ?』
「…勇斗はさ、もう何年も付き合ってたら記念日って祝わなくなる?」
『それはないね。なんなら付き合った記念日じゃなくて色々なことに記念日つけちゃう』
「もう何の記念日かわからなくなりそうだな笑」
『例の彼氏?』
「まぁそんなとこ。職場の人と飲み会だってさ。俺も遅くなるって嘘ついちゃったし 」
『たしかその日仕事終わんの早いもんね』
「うん。だからケーキとかいろいろ準備しようかなって思って、遅くなるって言ったんだけど、その必要はなかったみたいだから」
『どうすんの?』
「普通に仕事終わったら家帰る」
『えーじゃあ俺も行っていい?』
「あなたはまだ仕事があるでしょ」
『早く終わらせるからさ、いいでしょ?』
「…わかった」
ごめんね仁人、俺も仕事あるなんて嘘ついて。
これから悲劇的な舞台が始まるから俺も準備しないと
きっとこれが仁人とアイツを壊滅させられる方法だから
仁人は優しいからアイツを簡単に許してしまうかもしれないけど、それは俺が許さない。
仁人がアイツに貢いだ時間…いや、俺の奪われた時間の対価を簡単に終わらせるわけにはいかないから
「勇斗…?どした?」
『いや、なんでもないよ…笑』
to be continued…
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