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🩷「最初は正直、怖かった」
💚「……うん」
🩷「でも、こんなに俺のこと気にかけてくれる人」
🩷「今までいなかったから」
🩷「嬉しかったんだ」
言い終わる前に、
ぎゅっと抱きしめられる。
💚「佐久間くん」
💚「早く、俺のものになって?」
🩷「え?」
💚「好きで好きで、おかしくなりそう」
🩷(その言い方はちょっと怖い!!)
でも——
逃げたいとは思わなかった。
🩷「……もっと、阿部くんのこと知りたい」
袖口をきゅっと掴む。
💚「ほんとに?」
少しだけ目が揺れる。
💚「なーんでも答えるよ」
💚「佐久間くんのためなら」
💚「俺、なんだってする」
その言葉は甘い。
けれど、
“本当にやりかねない”
重みがあった。
──────────────
今日は文化祭当日。
ステージ出演予定だったクラスメイトが体調不良で欠席。
○○「代わりどうするよ?」
○○「うちのクラスだけ何もなしはヤバいだろ」
○○「誰か特技ないー?」
ざわざわする中。
○○「佐久間、なんかやれよ」
🩷「は?急すぎるだろ」
○○「名前書いとくなー♪」
🩷「……勝手に」
🩷(はぁ……)
──本番。
ステージ中央に立つ。
スポットライト。
観客のざわめき。
佐久間は深呼吸をする。
音楽が流れ出す───────
俺の好きな曲。
身体が勝手に動く。
バク転。
着地。
フリーダンス。
流れるようなステップ。
そう——
誰にも言っていなかった。
俺は、幼い頃からダンスを習っている。
歓声が上がる。
女子「え!?あの人誰!?」
女子「うちのクラスの佐久間だよ!ギャップやば!」
女子「かっこいい!!これは惚れる!!」
男子たちも目を丸くしている。
ラストポーズ。
大拍手。
ステージ企画は大成功。
腕で額の汗を拭い、ステージを降りる。
その時ーー
視線を感じる。
少し離れた場所で、
阿部が静かに立っていた。
拍手はしている。
笑っている。
でも。
その目は——どこか、独占を感じさせる目だった。
つづく。