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【以下、細菌達の記録】
《シリアスブレイカーの視点》
(シリアス!!シリアス!!シリアス!!シリアス!!)
シリアスブレイカーのシリアスセンサーが
とめどなく鳴り響いた。シリアスブレイカーは眠っているパンダこと半田緋色をおぶりながら仲間達を探していた。
「どこだここは!!?.皆は無事なのか!!?うおおお!!シリアスッビーム!!!」
シリアスブレイカーがそう言いながら目を
見開くと車のカービームのようにシリアス
ブレイカーの目が光った。
「ややっ、あれは……川中島ーー!!!無事かっ!!?ひどい怪我だ。意識があるなら返事をしてくれ…..!!!」
「ご….ござ…….。」
川中島は全身を打撲し腕や足を骨折するなどの大怪我を していた。しかしどうやらまだ
息はあるようだ。
「ひどい怪我だ!!すぐに救急車を呼ぶからな
…….ムムッ!!?どうしてケータイが繋がらないんだ!!?」
シリアスブレイカーは動揺していてここが
異空間で携帯が繋がらないことをすっかり
忘れていた。
《シリアス!!!シリアス!!!シリアス!!!シリアス!!!》
突然、シリアスブレイカーのシリアスセンサーが大きく反応した。シリアスブレイカー、
川中島、パンダの三人めがけてとてつもなく巨大な大剣が襲いかかった。
「危ないッ!!!《ブリキノダンス》!!!!」
シリアスブレイカーは腕を硬質化し、間一髪で巨大な大剣を食い止めた。
「…….グゥッ……!!!」
巨大な大剣はシリアスブレイカーの腕に
傷を与えた。今は《ブリキノダンス》で鋼鉄の体になってるため出血はないが、能力を
解除すれば大量に出血してしまうだろう。
「へぇ、今のを防げるのか?やるなぁシリアスブレイカァー!!!!しかし、まだ奪ったばっかだから少しばかり使い心地が悪いな…….。 《ギガンティックO.T.N》解除!!!」
暗闇から現れた我楽は《ギガンティックO.T.N 》を解除した。大剣は我楽の男性器に
戻っていった。
「….!!!その能力、川中島の《ギガンティックO.T.N》!!?……どういうことだ!!?君は
川中島の双子の兄なのか!!?」
「そんなわけねぇだろ。いくぜぇ!!!
《ビースト•ダンス》!!!!!!」
我楽がそういうとメキメキと音を立てて
我楽の脚が獣のような形に変貌した。
この能力も、我楽が自身の能力《ODDS&ENDS 》で能力者から奪ったものであった。
勢い良く大地を蹴って我楽はシリアスブレイカー達に襲いかかった。
「ヌゥン!!!シリアスッ!!!シリアス展開は私が
破壊する!!!」
そう言ってシリアスブレイカーは我楽の
攻撃を全身で受け止めた。そして我楽の腰を
相撲のように掴んで言った。
「《ブリキノダンス第2形態メガ•テラ•ゼロ》!!!!!!!」
するとシリアスブレイカーの背中から
ジェットのようなものが生え、シリアスブレイカーは我楽を抱えて夜空へと飛んだ。
「こんなシリアスなことは辞めるんだ……!!!
親御さんが悲しむぞ……!!!」
シリアスブレイカーは殺人鬼我楽の説得を
試みた。しかし我楽はシリアスブレイカーの説得に耳を貸さなかった。
「両親なら俺も燐墓もとっくに殺されてるよ。これは俺たちの両親を食い殺した奴
の能力だ!!!!《カーニバル•ハッピー》!!!!!」
我楽がそう言うと我楽のすべての歯が抜け落ちまるでクマの牙のような鋭い牙に生え
変わった。
「ガルルルルルグウアアアア!!!!!!!」
我楽はそう叫びシリアスブレイカーの肩に
牙を突き立てた。我楽の《カーニバル•ハッピー》は、ダイヤモンドを噛み砕くほどの
とてつもない牙を獲得する能力だった。
「それ…….でもッ!!!!こんなことしちゃダメだ!!!!!これ以上仲間を傷つけさせないッ!!!!!
これ以上君に罪を重ねさせないッ!!!!シリアス展開は 私が破壊するッ!!!!!!」
「うるっッせぇんだよ!!!!」
我楽は背中から大きな翼を生やした。
我楽はシリアスブレイカーの鋼鉄の肩を食いちぎった。
「グゥゥッ!!!!!!」
肩を食いちぎられる激しい痛みで、シリアスブレイカーは我楽を捕らえていた腕をゆるめてしまった。
「《ビーストォォォォダンス》!!!!!!!」
その隙を見逃さなかった我楽は
《ビーストダンス》で強化した脚で
シリアスブレイカーの腹を思いっきり蹴飛ばした。
【シリアスブレイカーが地面と激しくぶつかる音】
我楽は地面で横たわるシリアスブレイカーを
空から見下ろした。
(へぇ….あれだけの高さから落下したのに
ほぼ無傷か….。いい能力だな。《ODDS&ENDS 》で奪えないのが残念だぜ。)
そして我楽はふたたび
《ギガンティックO.T.N 》を発動し
巨大な大剣を掲げた。そしてシリアスブレイカーを大剣で一刀両断しようとした。
「お前の敗けだ、シリアスブレイカー。お前はそんな 強ぇ能力があるにも関わらず、俺にまともな攻撃ひとつもしなかった。…..
とんだ 腑抜け野郎だぜ。」
「いや、シリアスブレイカーさんの勝ちですよ。」
《パンダヒーロー》によって変身した
半田緋色が高く跳躍しどこからか取り出した金属バットで我楽に襲いかかった。
「!!?…ッ《天使の翼。》!!!!」
我楽は翼でその攻撃をガードした。
《半田緋色(パンダ)の視点》
パンダは空中でひらりと舞った。
「《パンダヒーロー•流儀•酩酊する鳥》。」
パンダがそう言うと空中に金属バットが
現れた。パンダはそれを足場にして再び
ジャンプをした。
(こいつの動き……不規則で読めねぇ…..!!!)
パンダは金属バットを足場にしながら
緩急をつけて不規則に跳び回った。
それは、まるで空中で行う酔拳のようだった。
パンダの飛び膝蹴りが我楽の顎を捉えた。
「ガァッ…..!!!!」
我楽は脳を揺らしたが、強い精神力で
気絶を防いだ。そして我楽は奥の手を使った。
「《マインドブラインド》…..!!」
我楽がそう言うと我楽の右目から赤い血涙が
垂れた。
「わっ、前が見えない。」
パンダは突然視界が暗くなったことで動揺し
金属バットから足を滑らせてしまった。
我楽の右目の能力《マインドブラインド》は
自らの右目が1日見えなくなる代わりに
最後に見た相手の五感全てを1日奪うという
肉を切らせて骨を断つ我楽の奥の手であった。
「ハ……ハハハハハ!!!!!!!ここまで追い込まれたのは久しぶりだぜぇ!!!!!じゃあな、ヒーローども…….!!!!」
そう言って我楽はふたたび《ギガンティック
O.T.N》で彼らに止めを刺そうとした。
「《パンダヒーロー•流儀•リビングデットユース》。」
半田緋色がそう言うと半田はふたたび
跳躍し、五感を奪われているのにも関わらず
我楽に正確に殴りがかった。
「ハ!!?おいふざけんなよ……!!!テメェ一体どんなイカサマしやがった…..!!!?」
そう叫びながら我楽はパンダに飛びかかった。
「うるっさいわね、騒ぐんじゃないわよ。
私がパンダの代わりにパンダの体を操ってる。それだけよ。」
パンダの纏うフードから少女のような声がした。
半田緋色は無能力者である。半田緋色の体に
悪霊である悪夢ちゃんが取り憑くことで
身体を強化し、 驚異的な身体能力を発揮しているのだ。
さらに《リビングデットユース》は悪夢ちゃんが 半田緋色の体を完全に乗っ取ることで
悪夢ちゃんにパンダの体の操作権を完全に
明け渡す 非常に危険な技である。これによってパンダはたとえ全身筋肉痛でも、五感が奪われても 手足がちぎれても、首がもげても、《リビングデットユース》の継続時間である三十秒 までは戦い続けることができるのだ。
「ほんっとに今日は最悪の1日!!!!バットとして乱暴に扱われるし、キッショイ空間に
閉じ込められるし、パンダに土足で雑に踏まれ続けるしで最悪最悪最悪!!!!パンダ!!!!!
トドメを 刺すわよ!!!!」
少女のような声をした金属バットが叫んだ。
「まかせて、《パンダヒーロー•熱暴走》。」
パンダはそう言って我楽の頭に踵落としを
した。
【我楽が派手に地面に叩き落とされる音】
決着である。
(まだだ……!!!まだ終わっちゃいねぇ……!!!)
這いずるようにして我楽はパンダ達から
逃げようとした。
(あの能力……《パンダヒーロー》!!!!化物みたいな能力だが使い終わったら使用者は眠ってしまう…..!!!それは草野球で確認済み….!!!
その頃には俺の天使の翼で怪我も治るはず
……この局面を乗り切れば……俺達の勝ちだ
ッ…….!!!!)
我楽の「天使の翼。」には空を飛ぶ能力だけでなく。アドレナリンを分泌し、痛みを和らげる効果と、僅かばかりの回復能力があった。彼はそのまま息を潜め、体が回復するまで待つつもりだった。
「みぃつけた。」
しずかに、冷静に、狩人である妖怪沢どろりは息を潜めながら獲物が弱る機会をうかがっていた。
すでに決着はついていた。彼らの
最大の敗因は、シリアスブレイカーでも半田緋色でもなかった。彼らの最大の敗因は
妖怪沢どろりを最初の段階で死にものぐるいで殺そうとしなかったことである。
「あんなに派手に暴れまわるのは良くない。
位置が丸分かりだ。」
青い月明かりに照らされ、殺人鬼どろりの目は、 冷徹に翼の折れた獲物を捕らえていた。
(最後まで読んでくださりありがとうございました。)