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「ほんとに凍ってる!」
湖に着くと、私は蒼と一緒に湖の元へと駆け寄った。
分厚く凍る湖は、初めて蒼とここにきた時とはまた違う、雪国のような雰囲気を出している。
なんだか、別の国にいるみたい。
私は素直にそう感じた。周りは、雪ではしゃぐ子供や、照れながらも笑って手を繋ぐ仲の良いカップルで溢れかえっている。
「莉奈、座って話さない?」
蒼はそう言うと、ぽつりとあるベンチを指さした。
まるで私たちが座るのを待っているかのように、ベンチは私たちを吸い寄せる。
そんなことを考えていると、もうベンチの前まで来ていた。蒼と一緒に腰をかけると、蒼は私の瞳をじっと見つめ始める。黄金のように光り輝く蒼の瞳は私を飲み込んで離さない。私は蒼の瞳に飲み込まれ、目を離すことが出来なくなった。
綺麗な目…
どうしたらこんなに綺麗になるんだろう。
2人の間に沈黙が流れる。周りのはしゃぐ声や自然音が私たちを包み込んで、それが案外嫌じゃないのはおかしいのかな。
沈黙が気まづくないのも…蒼との仲の良さを表してるかな??
私はひとりでこっそり惚気けながらも、静かな沈黙をぐっと噛み締める。
この沈黙がいつか終わってしまうかもしれないと考えると、1分1秒、蒼と一緒にいれる時間を大事にしたいという感情が溢れ出てきてしまった。
「莉奈…」
蒼が突然私の名前を呼んだ。私は少し驚きつつもどうしたの?と蒼に聞く。蒼は1度考え込むように瞳を閉じると、ぱっと瞳を開け、私の手を掴んだ。
その瞳には、力強く咲く向日葵が宿っているように見えた。ベンチを指さした。