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家の中にあるアトリエで、一人の男が熱心に絵を描いていた。アトリエの中は彼が描いたと思われる絵で埋め尽くされている。
その時、ドアがノックされる音が鳴った。
kj「失礼します。阿部ちゃん、お茶持ってきたで」
ab「ありがとう、康二」
kj「なぁ、いつも思うんやけど、その、描いてる人って誰なん?」
ab「えっ?…うーん、俺も分かんないや」
kj「自分で作った人ってこと?」
ab「そうなのかな?でも、人の絵を描こうとすると、毎回この人になるんだ。なんでだろうね」
阿部は苦笑しながら言った。
阿部が描いている絵のなかには、黒髪で美形の男性がこちらを向いて微笑んでいた。
コメント
1件
読み終わりました。冒頭のアトリエの描写と、埋め尽くされた絵の異様な密度に引き込まれました。何より気になったのは、阿部さんが「自分でも分からない」と語るあの黒髪の男性像。毎回同じ人を描いてしまう理由が、創作の枠を超えた何かを感じさせます。康二さんの「自分で作った人?」という問いかけも、物語の核心を突いていて好きです。この先、あの人物が実在するのか、それとも別の意味を持つのか——続きが待ち遠しいです。素敵な導入をありがとうございます。