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テオside
今日も楽しいワイルドゾーンへ赴きオヤブン個体を倒していく。
経験値はかなりいった。
今日は育てたい子達とレベルMAXのルカリオしか連れていない。
テオ『ほんじゃ、今日はここまでにして帰ろうか。』
ルカリオはクォ、と鳴いた瞬間バッと俺の背後を守るかのように立ち。
俺が後ろを見た時には毒が迫っていた……。
カラスバside
何や今日は違和感するな……。
妙に胸元がモゾモゾするっちゅーか。
ジプソ「お疲れの様ですから少し夜風でも浴びて来たらどうです?私も着いて行きます。」
カラスバ「あー、せやなぁ、でも着いて来んでええよ、何せ俺はサビ組の組長やさかい、自分の事は自分で守れる、それにジプソも疲れとるやろ?俺が帰るまで休んどき、ほな行ってくるわ。」
そのまま俺はエレベーターを乗り下へ降りて外の空気を吸う。
カラスバ(…夜の空気は気持ちええな、心が落ち着く……、でもあのモヤモヤは消えへん、何でや…?)
暫く歩くと横道から急にポケモンが飛び出して来て
咄嗟に身構える……が。
カラスバ「お前、テオンとこのルカリオか?何や何してんねんこんな時間に……、あぁ、ワイルドゾーンか、何や主人はまた上にでも居るんかいな?」
チラッと上を見ても誰も居ない、可笑しい。
ルカリオは主人に忠順であり傍を離れないハズ……。
ルカリオに目を向けると毒でやられている様で苦しそうや……、まさかッ!
カラスバ「今すぐお前んとこの主人の元へ案内せぇッ!」
ルカリオは苦しながらもこっちに来い、と言わんばかりに走って行く。
アカン、アカンッ!死ぬなッ!!!
走って走って走った、目的地に着くとルカリオはその場に伏せてしまった。
月明かりの中、テオはグッタリと地に伏せていた。
カラスバ「ッおい!目ェ開けッ!」
だき抱えてテオの症状を見る。
毒が中にまで回って命に関わる状態……。
毒消しは意味無い。コレはポケモン用だから。
震える手でスマホロトムを出し
カラスバ「ジプソッ!はよ車回してくれッ!急患やッ!病院も手配してやッ!!」
テオside
長らく寝てた気がする……。
目を開けると真っ白で……、え?死んだ??
ふと横に目を移すとカラスバが腕を組みながら眠っていた。
ココは…病院??
何で??
記憶を遡る……最後に記憶にあったのは……あぁ、ワイルドゾーンでヘドロばくだんを受けて記憶を失ったんだっけか……。
ルカリオはッ!無事かッ!?
病室のどこを見渡してもボールが無くて……、もしやあの場に落とした?それともあのまま倒れてるのかッ!?
そうなるとココで休んでる訳にも行かねぇッ!
探しに行かなくちゃッ!!
「おはようさん、ほんで何処に行こうって?」
ベッドの取っ手に手を掛けたところでカラスバに制された。
テオ『俺の相棒が苦しんでるかもしれないから…助けに行くんだよ、離せよ。』
カラスバ「ホンマお前は人の話を聞かへんなぁ、お前の大切な相棒はウチで預かっとる、ちゃんと毒消しもして回復させとる。」
カラスバの顔を見ると嘘では無さそうだ、そもそもサビ組はミアレの為と、ポケモン達にも優しい。
テオ『……そうか……そっか。良かった……。』
急に襟元を掴みあげられ
カラスバ「なぁ、今どんな思いなん?相棒を亡くしかけたんやで?それにお前も死にかけた。なぁ、もし片方だけ残ってたら…どんな気持ちになるか分かっとんのか?」
カラスバが怒るのも無理はない。コレは俺の責任だ、俺が…油断したから……。
テオ『……、ルカリオをまず救ってくれてありがとう、アイツはすげー優しい奴でさ…きっと俺が主人じゃなくなってもカラスバならきっと上手くやれると思う。』
カラスバ「お前何言うてるん?」
テオ『俺がもし今後また同じ様に死に際に経った際はたの「させん、言わせんッ!アイツの主人はお前やろがッ!!下手な事言うなボケッ!」…でも、今回は俺の調査ミスだ…俺に非がある、だから…。』
カラスバ「何やまたやろう思っとるんか?ホンマチャンピオンのクセになぁんも分かっとらんなぁお前は……。」
グサッと心に刺さる……。
カラスバ「まず、ルカリオはお前の盾になろう思て守ったんや、でも零れた毒にお前さんはやられた……、確かにポケモンの方が耐久性あるさかい、でもルカリオは直で受けたんやろ?なら毒が回るのが早いはずやねん、本来なら主人を捨ててまで自分助かる策を練るのが普通や、ただ、コレはあくまで信頼度が無い場合や。ルカリオが毒に犯され続けても、お前を助けたいからやった事。それを無下にすんな、アイツの行動を無駄にしやんな。」
テオ『……俺トレーナー失格だなぁ、四天王倒したりして天狗になってたんだ……。俺の子達に何もやれてなかった……。』
シーツを握る拳が更に強くなる、情けない、何が強さなのか、何が信頼出来る関係なのか……、四天王も倒してチャンピオンも倒して……。
俺にある物は何なんだろう……。
カラスバ「これ、その顔、たまぁにするけど、変な考えしとる時やな?」
テオ『別にッ』
カラスバ「ちゃうなぁ、今回の件でお前さんは自分自身を近来出来んくなっとるやろ、そりゃそういう時もあるさかい、でもなぁ、こないまで助けを求めてくる子なん居らんで?お前とルカリオの絆、無駄にすんな。やから体調戻ったら謝っとき、俺は特別なぁんも出来ひんかった。お前のルカリオはイケメンやな。」
カラスバに言われ涙が止まらなくて……。
カラスバ「なんや、泣くのが恥ずかしいんか?なら特別カラスバさんの胸貸したる、ココには俺とお前しか居らん、自由にしたらええ。」
優しく話すカラスバに申し訳ないと思いながらも泣きじゃくってしまった。
怖かった。
俺が死んだら手持ちの子はどうなるのかと。
現場に居たルカリオは俺が死んだらどうなってしまうのかと。
残ったMZ団の皆はどうするのか……。
カラスバ「お前は背負い込みすぎや……、たまにはゆっくり過ごすのもええんよ、誰も責めへん、ゆっくり眠ぃ。」
カラスバside
俺の言葉にゆっくりと瞼を閉じ眠った大きいけど小さい赤子。
全てを自分が責任取ります〜って考えやろうが……許さへん。
お前は…お前だけが頑張っちゃアカンやろ。
はーあ、何時になればお前は周りに任せてくれるんやろな??