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寿命㌫(話)
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放課後。朱音が里紗と由佳と一緒に学校の職員室前を通ると。
「ありがとうございました」
背の低い紫のパーカーの少女が職員室から出てきた。鈴を転がすような声に、揺れる一つ縛りの髪。そして綺麗なお辞儀。身長は朱音たちよりも小柄で、幼い顔立ち。
少女は朱音たちに気づいたようで、微笑んで会釈をした。
「私服だったね」
朱音が里紗と由佳に声をかけると。
「あぁ、数ヶ月に1回来る、うちのOBだよ。演劇部だったんだって」
「朱音は知らないか。ずーっと落語やってたもんね」
廊下を歩く少女に、朱音は少しだけ興味を持った様子だった。すると、
「なぁ、この机の上のスマホ誰の?」
「私じゃないですね」
「さっきのOBのじゃないか?緑色の手帳型。….届けたいんだけど、俺たちこの後会議なんだよな….」
その声を、朱音は聞き逃さなかった。ノックもせず、職員室に入ると
「私いけます!!行かせてください!!」
朱音は階段を飛ぶように走っていった。