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あの日のことを思い出すたび、胸の奥が温かくなる。
窓辺で膝を抱える君の背中に、そっと腕を回した時のことだ。
金木犀の小さな花が揺れていた秋の午後だった。
公園のベンチで見上げた空は高く澄んでいて、風が運んだ香りが俺たちを包み込んだ。
🩷この香り好き
ぽつりと言った彼の横顔が忘れられない。
🖤ねえ…やっぱりつけてみたい?
寝室の窓際に並んだ数本の香水瓶を見つめながら尋ねると、君は少し困ったように首を振った。
🩷うちの子たちが気にしちゃうから
確かにそうだ。
玄関の方から聞こえてくる猫たちの鳴き声は、「もう戻ってきたのか?」と訴えているようだった。
🩷でも最近、試してみたいなって思うことがあるんだ
意外な言葉に顔を上げると、君の頬にほのかな赤みが差していた。
🩷金木犀だけじゃなくて…
枕元に置かれた俺の香水に目を向ける。
🩷蓮の匂いが残ってるここが、すごく落ち着くから
指先がそっとボトルの表面を撫でる仕草に、胸が高鳴った。
普段はあまり主張しない君がこうやって素直になる瞬間がたまらなく愛しい。
🩷でも変な感じだよね?自分のものじゃない香りが自分につくなんて
🖤そんなことないよ
思わず肩を抱き寄せた。
🖤大介と俺の香りが混ざったら、どんな匂いになるだろうね
そう言いながら手首を近づけたとき、確かに変化を感じた。
清潔感のあるウッディ系の俺の香りと、猫たちの柔らかい毛布のような君の日常の匂いが、ゆっくりと溶け合っていくような…。
🩷不思議…
君は小さく呟きながら目を閉じた。
指先で自分の髪を梳く仕草が妙に色っぽい。
🩷なんだか安心するのにドキドキする。こんな矛盾した気持ち初めてかも
その瞬間だった。
トタトタッと軽快な足音が響き渡り、キジトラの毛玉が飛び込んできた。
続いて黒白の三毛模様が続き、「にゃあ!」と抗議の声を上げながらベッドの真ん中を陣取った。
🩷あっ…ごめんごめん!おやつ用意するね!
慌てて身を起こした君が愛らしい笑顔で振り返る。
🩷ほらね?やっぱり俺にはこれくらいの距離感が丁度いいみたい
立ち上がりながら袖口を嗅ぐ仕草が何とも可愛らしくて、つい吹き出してしまった。
突発で思いついたのであげてみました。
最近ファンタジーばかり書いていたのでリハビリも兼ねて。
ちなみに主の好きな香水はDIPTYQUEのゼラニウムオドラタです٩(。>ω<。)و←聞いてない