テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
あの日をきっかけに舜との接点がだんだんと増えていった。
今までの遠くから眺めているだけの日々が嘘のように感じるくらい。
関わりが増えると同時に、俺の舜への想いも強くなっていく一方だ。
関わっていなかった時には分からなかった一面が徐々に見えてきて、好き度がみるみる上昇中である。
そんな中、学生の天敵であろう定期試験が迫ってきている。
俺は案の定、舜のことが頭から離れず、勉強に集中なんてできていない。
結構困っている。どうしよう。このままじゃ補習コース確定だ。
何かやる気が起きるものはないかと悩んでいると、舜が話しかけてきた。
「柔、勉強捗っとる?」
「全く…」
「えっ!?もうそろテストやで!あかんやん!」
「なんかやる気が起きなくて…」
「そうやなぁ…」
「あっ!」と舜が声を上げたと思ったら、俺の方にビシッと人差し指を向けてきてこう言った。
「柔がどれか一教科でも5…いや、6割取れたら、ご褒美あげたるわ!」
「…まじ?」
舜は頷いて「まじ」とオウム返しをした。
「柔が欲しいご褒美なんでもあげたる」
「だから、それ目指して頑張ってや!」
“なんでも”…か…。
「わかった。頑張る」
「確認だけど、本当になんでも?」
「ほんまになんでもっ!」
舜は絶対!という顔で俺を見つめる。
「じゃあ、本気で行くからね?」
「ドンと来い!!」
俺は得意としていた理科を徹底的に伸ばすことにした。その他の教科は平均点を取れるくらいの力をつけられるようにバランスよく勉強することにした。
好きな人からのご褒美をもらえるのであれば、頑張らない理由なんてない。
ある日の休み時間。
舜が俺の机に組んだ両腕を置き、下から覗く形で話しかけてきた。
「柔、勉強頑張ってるなぁ」
「おかげさまでやる気十分だよ」
「ほんまに6割取らな、ご褒美はなしやからね!」
「大丈夫。絶対取るから。」
絶対にご褒美を勝ち取ってみせる――。
コメント
1件
第3話、めっちゃ良かった!柔くんと舜くんの距離が縮まってるのが伝わってきて、こっちまでドキドキしたわ。特に「なんでもご褒美あげる」って言われて「本当になんでも?」って念を押す柔くんの心情、もう完全に恋する男子じゃん…!関西弁の掛け合いも自然で、2人の関係性がすごく丁寧に描かれてるなって思った。「好きな人のためなら頑張れる」って感覚、めっちゃわかるし、次のエピソードでご褒美どうなるのか超楽しみ🔥
34
105