これで俺の無実が証明できる…という安堵と、でもリスナーに手を出して、その場から逃げた事が事実だ、とやはりこの運命は変えられないのか…という不安で自分の心音以外の音が聞こえないほどドキドキしている。「そろもんが悪くないのは…知ってるよ。それは…」
そう言ってあすたは、discordにひとつの動画を貼った。
『あの、私…家出してきて…』
『そうなの!?じゃ帰る家ないじゃん!』
あの会話が、一部始終録画されている。
「そろもん、パニックになっちゃってるかもだけどね…」
__暴露系に相談しに行ったのはメメリスじゃない、あの女の子だよ。
そして、僕はその暴露系の人にこの動画を見せに行ったんだ。
ほら見て、と俺の方に向けたのは、その暴露系のリアタイ配信だった。
「これ、今…?」
『そう、メンバーのね…名前出す許可貰ったので出しますね、そうあすたさん。あすたさんが撮ってたのよほらこれちゃんとモザイクかけてるよこれちゃんとしてるわ〜。だから、そう、そうなのよ今日の朝相談してきたあの女のはそう、嘘ね。間違った暴露しちゃって俺も申し訳ないし。あの女はほんとありえない。』
爆速で流れるコメントには
「まじかよ、」
「そろもん悪くないじゃん」
「ポケ朝の女呼んでよ」
などのコメント。
「あ、…ぁ、よ、よかった…」
安堵でまた涙が溢れてくる。
「だから、俺がはるさんたちには説明するし__まぁ、もう知ってると思うけど」
あぁ、よかった__
俺は安堵で膝から崩れ落ちた。
少し前に通話から抜けてきた俺は、今、別のボイチャでうた、じおると通話している。
「ちょっと言いすぎたかな…?」
「いや、あんな奴に気ぃ遣う義理ねぇよ。俺だったらもっと言うわ」
うた、相当キレてるな…
幼馴染の俺の事を思ってなんだろうけど、そろもんの話も聞かずに決めつけてキレたのはおかしかった、と自分でも反省している。
「そろもんの言い分くらい…聞いてあげても良かったんじゃないかな」
「いやぁ…」
「僕も、ちょっと反省してます…」
「まぁ、俺も…だけど、…」
そんな時、YouTubeである配信が目に入った。
俺は目を見開いた。
「うた、じおる、これ……」
驚きより、申し訳ない…
そろもんを傷つけてしまった、という申し訳なさが勝った。
「謝ろう、そろもんに」
「…だな。」
「きっと、傷つけちゃいましたよね……」
俺たち3人は、まだそろあすが残っているボイチャへと移動した。
コメント
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感情の表し方毎回神ってる… 読んでて私も感情移入した!! 安心したよ…