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夜10時。試合の時間が迫っていた。黒いタンクトップにジャケットをはおい、長い長髪もギチギチに結び、完全に戦闘モードとなった王尾は神楽とともに試合場へ向かっていた。

「神楽くんって、なにが好き?」

「あ……?」

「ほら、食べ物とか、スポーツとか」

「スポーツなら喧嘩だな!!」

「ふふっスポーツなのかなぁ……ほんと好きなんだね。まあ見てなよ」

王尾が会場の扉をギギ…と音を立てて開ける。

「先輩の背中ってやつを」

闘技場に立っていた対戦相手は神楽も知っている人だった。

「夢見流星…!?」

スラッとした長身に青と緑のコントラストの長髪を垂らし、ルビー色の瞳をした彼は、今最も勢いのある俳優として、バラエティや映画にひっぱりだこの夢見流星だ。

「なんであんたみたいな人がここに…!?」

夢見は自分の長髪を編みながらにこやかでありながら、冷たい瞳をこちらに向け答える。

「俺のうちは貧乏でね。親父も病気を患っててそれで芸能人になって金を稼ごうと思って…でも、それじゃ足りなくてね。それでここに流れ着いたわけさ…」

なんだか、勝ちにくいムードになったようだが、それも王尾はあまり気にしていない様子だ。

「それじゃ、始めよっか!」

神楽が観客席に座り、ゴオン!!という開戦のゴングが鳴り響く。

「俺は……勝つんだ!」

夢見が、自身の腕をクロスさせ、手印を作り、異能力を発動する。

「異能力「八重帯の八条蛸!」

その瞬間、夢見の指が変形し、蛸の吸盤に変わる。その蛸が王尾に向かって、全速力で伸びてくる。しかし、それを軽く膝を曲げ、スレスレのところで回避する。さらに、その吸盤をつかみ、一本背負いで投げる。

「せやあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「そうはさせないんだよね!」

夢見が床に倒されたーと思ったのはつかの間のことですぐに夢見が立ち上がる。

「あれー?」

「俺は体中を蛸に変えれる。つまりどんな攻撃も吸盤により吸収されるんだよ」

そんなのズル…!と思う暇もなく、吸盤が王尾に張り付く。

「えっ!?ちょっ!離してよ!」

しかし、もちろん離す気はない。それでも、No.3だ。

「うおらああ!!!」

ブチブチィ!!と吸盤を破り、反撃に転じる。

「俺の吸盤を破る…!?」

「さー、先輩のちから!見せるよ!」

「異能力「大河の女王」!!」

異能力を発動すると同時に、みるみる体が伸びていき、小柄な身長から大柄になって、ゆうに3メートルを超える。さらに茶色い毛皮に長く鋭い牙、瞳には面影を残し、王尾は

「マンモスモード!!」

「マンモスと戦うのは初めてだよ…!」

「私は…!あなたを圧倒して倒すよ!」

マンモスとなった王尾は夢見を潰しにかかる。それを必死に夢見も避けるが、次に長い鼻にふっ飛ばされる。

「まだまだ!」

「ぐうう…!」

吸盤でうけとめて夢見も応戦するが、マンモスの馬鹿力により、闘技場の壁にふっ飛ばされる。吸盤を出すひまもなく壁に激突し、失神した。その時、王尾霞の勝利のアナウンスが響き、マンモスから通常の姿に戻り、こちらににこやかな笑顔を向けた。

「これが先輩の背中だよ!」

「なんの参考にもならんかったぞ…?」

そういって、二人は闘技場を後にした。


「うう…」

王尾たちが去った後の闘技場で夢見は目を覚ました。

「くそっ…また稼ぎ直しかよ…!」

「いいねきみ!」

「あ…?誰だ?」

観客席で見ていたのは、ダイヤモンドレリュクのオーナー、雪之丞凛だった。

バイオレンサーズ

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