1章 3話 『再生神と破壊神』
いつものように亜紀は『活動』を続けていた。被害者のケア、保護施設に訪問、カウンセリングなどを続けた。そのおかげか、瞬く間に信者が増え最初は2人だったが今や500人を超えた。亜紀は教会に行き、祈る人達を後ろで眺めていた。子供や大人、老人。人種問わず沢山の人が訪れては祈り去って行く。亜紀は感心していると、1人だけ熱心に祈っている子供がいた。その子供は一人でやって来て、一人で帰る。親が居ないのか?と考えながらその子供に声を掛けた。
「こんにちは、少年」
話しかけると少年はビクッと肩を震わせゆっくりとこちらを覗いた。
「あ、こ、こんにちは…」
震えながら挨拶をしてくれた。
「名前聞いても大丈夫かしら?」
いきなりで相手も驚いていたがゆっくり「翔」と言った。
「翔君ね…かっこいい名前ね」
翔は「えへへ」と照れながらニコッと微笑んだ。
「お姉さんは?この教会の人?」
翔が興味津々に聞いてきた。しかし、素直に答える訳にはいかない。
「いや、たまたま来ただけよ。私は色んな場所に居るから」
そう答えると、翔は「へぇ」と返し教会から出て行った。
「…?」
服のポッケに違和感を感じ手を入れてみると紙の切れ端が入っていた。その紙には赤文字で「世界樹の下で待つ」と書かれていた。
「イタズラ…では無さそうね」
近くには誰も居ない。さらに凌も別の仕事が入っていてしばらくは連絡がとれない。
「私一人で行くしかなさそうね」
幸い世界樹は近くにあり、歩いてもすぐ行ける距離だが何があるか分からない。
「準備してから行きましょうかね」
再生神と破壊神にはそれぞれ能力がある。能力を使用するためには色々な条件が揃っている必要がある。亜紀は青く輝く宝石がついているネックレスを首にかけ出かけた。
世界樹は再生神と破壊神が和解をする為に生やした平和の樹である。世界樹の下につくと、何者かに声をかけられた。
「やっほー、亜紀」
破壊神の長、奏だ。
「何?奏」
奏はニコニコしながら亜紀の隣に立ち
「とりあえず座って話そうよ」
樹の下に座り奏が話し始める。
「私はさぁ、暇なんだよね」
「随分暴れてたと思うんだけど?」
「違うよ、もっとバチバチやりたいの!」
「はぁ、で?何が言いたいの?」
そう聞くとおもむろに立ち上がり、クルッと回転し腕を開いたと思った瞬間、樹の傍から黒い翼が生えた鴉と言われる破壊神が目の前に現れた。奏は黒い翼を生やし破壊神の姿になり「戦争しよっ?」と言い、去って行った。
亜紀は急いで凌に連絡した。
「急いで!!破壊神が襲ってくるわ!!」
亜紀は再生神の姿になり、奏を追った。
しかし、奏を守る他の破壊神が亜紀の前に立ちはだかる。
翔
鴉 一人一人顔は違うよ
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