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「る、ルカさん。」
この家に来てから3日の菓子は、まだ緊張が抜けきっていないようで少しどもりながら話しかける。
「…どうしたの?菓子。」
ルカはそれに優しく応じた。
「あの、何となく気になったんですけど」
「皇であるルカさんが、なんで私を助けてくれたんですか…?」
「なんでって、そう言う人を助けるために俺はリィン・システムを使ってるからさ。」
ルカの言葉に、菓子は驚く。
「え!?」
ヒナは、ルカの言葉にうんうんと頷く。
「そうだよ〜、ルカ兄はリィン・システムを使って一般人を危険から守ってるんだよ〜。」
ルカは目を瞑り
「…リィン・システムがどうたらなんて話すくらいなら、有効活用したほうが有意義じゃないかな?って思ってさ。」
そう言って口角を上げた。
「私はさ、怖くないのかなぁ?ってずっと思ってるけどね。」
「ルカ兄に聞いても”怖いわけない”って言うからなぁ。」
「怖くは無いなー、だってタヒなないし。」
「…タヒぬのはもちろん怖いんだけど、こう…だからといって貰ったもの使わないのもなぁって。」
ルカは少し考え込む。
そして、思い出したかのように答える。
「そうそう、そうやって”ヒーローっぽいこと”…をしておくことが、1番早いんじゃないかなって思ってさ。」
ヒナはそんなルカに向けため息をつくが、ルカは意にも介さず、ティーカップの紅茶を飲み干す。
「ヒナさんは不満そう?ですけど、わたしはかっこいいとおもいます!!」
菓子は救われた側として、ルカに笑いかける
「ふっふっふ、ヒナは不満なんじゃなくて、かっこいいって思ってるのを隠してるんだよ〜」
「えっ!?そうなんですか!?」
菓子は驚きヒナの方を見る。
「んなわけないじゃん!!ルカ兄何言ってるの!?」
明らかに目を逸らすヒナが恥ずかしそうに言い返す。
「…隠したって無駄だよ〜?」
「ヒナが俺の”ヒーローっぽいこと”に協力してる時点で…ねぇ?」
菓子は確かに…!とヒナをキラキラした目で見つめた。
「ヒナさんもすっごくかっこいいです!!」
菓子はにっこりと笑った。
「ああもう…」
ヒナは恥ずかしそうに顔を覆い隠した。
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「…あの子を逃がしたの…?」
目がタヒんだ女が、男に問いかける
「あ、あぁ…皇のヤツに、悪人扱いされたんだよ…」
「あいつさえ…あいつさえ居なければ…」
「あぁあああっあぁああ!!!!」
女が発狂し、頭を掻きむしる
「タヒにたくない!タヒにたくないタヒにたくない!!」
「俺だってタヒにたくねぇんだよ!!」
「子供はどっちもどっか行ったし、ぞ、臓器か!?臓器を売れば…」
男も今にも怒鳴り散らしてしまいそうなほど震え不安定な声であった。
「ぁあ…ああぁ……」
「あいつが…あいつが最後だったのに…」
男は崩れ落ち、床をバン!と叩くと、ボロボロ泣き始めた。
「子供を救うんなら…俺だって救ってくれよ……」
「表面だけ見てんじゃねぇよ…!!」
「なんで…なんであいつに抵抗しなかったの!?」
半狂乱になった女は男に問いかける
「……できるわけねぇじゃん……」
「これで反抗して!!!」
男は次第に怒鳴り散らすような声へ変わっていった。
「俺が処刑でもされたら!!てめぇは…」
「てめぇはどうすんだよ!!」
Mist-404
52
女を強く睨む男は、もはや縋るようであった。
「あいつが…!!最後の希望だった!!」
「どんなルートでもいいから…」
「タヒにたくない…」
「神様…助けてくれ…」
「おねがい、だ……」
男の声は掠れる。
チンケなアパートには、そんな精神を壊した男女のみが残されていた。
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「……わたし、さがしている人がいるんです。」
菓子が来て1週間の夕食時に、そんな話が切り出される。
ヒナは答える。
「探してる人?」
「…はい。」
菓子は少し緊張した様子で、説明をする。
「お姉ちゃん、なんですけど。」
「えと、うすい緑の髪で、たしかピンクのリボンがお気に入りだからって、えっと…。」
菓子は少しどもっている様子であった。
「…どうしたの?菓子ちゃん。」
困っているのかと思い、ヒナは聞いた。
それに対し菓子は言いづらそうに
「…ずっと前に、どこか行っちゃって、だから、あんまりよく覚えてなくて。」
今この場にはヒナと菓子しかいない。
「なぁるほど…」
ヒナは少し考えると、1枚の紙を探し、ここに持ってきた。
「覚えてたらでいいから、ここにどんな感じだったか描いてみて!」
ヒナはそう言って、笑顔で紙と鉛筆を差し出した。
「…!がんばって、みます!」
菓子はうんうん思い出そうとしながらも、夢中になって絵を描いていた。
10分ほど経ち、絵を見せられる。
確かに、彼女が言っていた特徴と一致する…拙いが、そんな印象を受ける。
(ふぅん…知ってるかなって思ったけど、私は知らないなぁ。)
「…ありがとう!絶対…とは言えないかもだけど、見つけてみせるからね!」
ヒナの笑顔に、菓子は目を輝かせる。
(……)
ヒナは考える。
(…どんな人なんだろう。)
(菓子ちゃんみたいな、一般の人なのかな?)
(…ルカ兄にも相談しないとな)
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