テラーノベル
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「どういうこと!?風夜!?」
「どうもこうも。そのままだよ。僕は人の“出来事”を記録する。この子は“時を司る”。僕が壊れないのは、元々人の流れとかは微塵も興味無い。でもこの子は人に合わせて時を刻まないといけないから、僕よりも先に意識が芽生えているんだ」
「おおう・・・難しいな・・・」
赤ちゃんは難しそうに顔を顰めた。ブラックは何となく理解したのか頷いていた。
「てか、もしかして、“風夜”の魔導書に空欄があるのは・・・」
「ん、“かこをつかさどるもの”のせい」
【ちょっ!!おまっ!!内緒にしろって言ったろ!!】
と、人形はぎゃあと叫んだが、彼(彼女)は平然としていた。
「てかさ、なんで君、外に出たの?君、外の世界になんて興味持ってなかったじゃん。一体どうして?」
すると、彼(彼女)はじっとすまない先生を見ていた。
「・・・あのひとたちのところにいるの、おもしろそうっておもったから」
「・・・それだけ?」
そう聞くと、彼(彼女)はこくんと頷いた。こうやって見ると、まるで人形のようにも見えた。
真っ白な肌はまるでビスクドールのような白さ、瞳は桃色に、瞳孔が青緑のガラス玉のよう。髪は人の髪というより、人形の髪のようで、桃色の髪に毛先が青緑。
・・・人形が意志を持ってる。と言われたら思わず納得してしまうほど、彼(彼女)は風夜やエウリとは違う。
“人間らしくない”
・・・いや、エウリたちや風夜も人間では無いが。
「・・・ところで、あの、流石に“現在を司るモノ”“過去を司るモノ”って長くありません?なんか名前決めませんか?」
【付けんのはこいつだけにしろ。俺は要らん】
「あ、そういえば二人で1つですもんね」
みんなでうんうん唸っていると、
「“シルト”」
『え?』
みんなが声のした方を振り向いた。そこには風夜がいた。
「シルトってのはどう?ドイツ語で“盾”って意味の。シルトの持っている武器はとっても大きな盾だからさ」
「そうなの?」
「んむ」
そう彼(彼女)はこくりと頷いた。
「・・・しると、しると・・・ん、きにいった。じゃあ、ぼくはシルトだね」
そう“現在を司るモノ”はシルトと名がついた。
シルトは嬉しそうに微笑んだ。
微笑んでも、人形らしさがあり、とても綺麗とも思ったし、とても・・・
“違和感”を感じた。
コメント
3件
私も続きが楽しみです! 頑張って!
続き楽しみにしてます🫶