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下野 綺琉兎(かの きると)
顔立ちが良く元気いっぱいでスポーツが得意な男の子
いかにも女子にモテモテって感じの子だった
転校してすぐに人気者になった
男女問わず仲良くしていた
悠とは正反対の子だった
綺琉兎は休み時間新しく出来た友達と仲良く話してた
悠は1人、ぽつんと教室の端で本を読んでいた
その時だった
綺琉兎〈なーアイツなんで一人ぼっちなん?〉
悠を指差して大きな声で綺琉兎が言った
皆一瞬静かになった
女子〈えー…と、〉
男子〈あー…アイツなぁ〜〉
皆戸惑っていた
だって、綺琉兎はまだ悠がこの学校でこの町でどう思われてるか知らなかったから
綺琉兎〈え?なになにwなんかふかいリユウとかあんの?w〉
女子〈えーと…ねぇ…〉
男子〈いや…なんもねぇーよw…ただアイツは”1人”が好きなんだよw〉
女子達〈うん…そうだよ!”1人”が好きなんだよねぇ〜〉
綺琉兎〈あーなるほどなぁ〜〉
悠は俯いたままだった
自分は目立つのが嫌いだったから
今の家庭環境を知られたくなかったから
なにより…1人である事が恥ずかしかったから
すると綺琉兎は
綺琉兎〈なぁんだよw〉
綺琉兎〈つまんねぇー奴だなw〉
悠〈……〉
悠は分からなかった
何でこんな事を言われなきゃなんなかったのか
悠の手に力が入る
冷や汗もやばかった
悠〘…っ……恥ずかしい…綺琉兎くんも…悠のこと…いじめる子なんだ…〙
綺琉兎〈なになに?涙出てきてんだけどw泣いてんの?だっせぇ〜〉
綺琉兎が悠の席に近づいてきた
悠〘綺琉兎くんは今クラスのリーダーみたいな存在だからみんな強く綺琉兎くんに言えないから……〙
綺琉兎〈お前弱そう〜wてか力無さそうだよなw〉
悠〘…早く休み時間おわってっ…早く早くっ!〙
綺琉兎は悠をいじり始めた
悠〘早くこの空気を…雰囲気を…変えて…〙
ガラッ
誰かが扉を開ける音がした
??〈そんなに悠さんをいじめて…何が楽しいんですか?〉
たった1人悠に話しかけてくれる子が綺琉兎に向かって言い放った
綺琉兎〈…は?お前誰?〉
??〈誰だって構わないじゃないですか…それより悠さん嫌がってます、
見て分からないですか?〉
綺琉兎〈はぁ?お前何?あ、もしかして!”ぎぜんしゃ”とか言うやつ?w俺そういう奴大っ嫌いなんだよねぇ〜〉
クラスの皆は悠が綺琉兎にいじられてても何も言ってこなかったのは
綺琉兎がクラスのリーダーみたいな…そんな立場だったからだろう
逆らったら何されるか分からない
おまけに容姿もいいから女子達からは何も言われない
そんな存在の綺琉兎だがスバっと言ってくれたあの子に悠は嬉しくなった
悠〈…〉
??〈…偽善者なんかじゃありません。ただ、悠さんが酷いことをされてたら、当たり前だけど”友達”である僕が助けるに決まってるでしょう?〉
悠〈!!〉
悠〘とも…だち…〙
悠は嬉しかった、こんな自分にも自分を”友達”と言ってくれたからだ
綺琉兎〈チッ…お前うぜぇ…あーあ、お前のせいで楽しい空気が台無しだわ〉
??〈人の事悪く言って何が楽しい事ですか、とんだ悪人ですね。〉
綺琉兎〈あ”?なんだとテメェ…〉
キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン
女子〈き、綺琉兎くん!もうチャイム鳴ったし座ろう?〉
男子〈そ、そうだよ〉
綺琉兎〈チッ…気分悪ぃ…お前覚えとけよっ!!〉
悠〈…あ……〉
??〈…あ、悠さんごめんなさい…早くに助けられなくて…うぅ…図書当番してたらこんな事になるなんて…〉
悠〈…あ、だ、大丈夫…あ…ありがとう…悠…嬉しかった…友だちってボソッ〉
??〈っ…悠さんの笑った顔……〉
悠〈ど、どーしたの?〉
??〈ふぇっ?!あ、や、なっなんでもないです!では、また放課後に!〉
そう言うと自分の席に戻って行った
悠は心が温かくなった
苦しい環境の中であの子は唯一の”寄りどころ”だったから……
第23話 終わり