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桐山 凌
お前見てるとイライラするんだよ
涌井 明里
……え
涌井 明里
な
涌井 明里
なにそれ…
涌井 明里
私何かしたかな…ごめんね…?
明里はできるだけ笑顔を作った。
桐山 凌
悪口言われてヘラヘラすんなよ
桐山 凌
もっと自分の気持ち伝えれば?
涌井 明里
(なんで急に私叱られてるの…)
涌井 明里
(なんで貴方にそんなこと言われなきゃ__)
明里は言葉に詰まった。
桐山 凌
『便利な首席様』__
桐山 凌
これ、お前のあだ名
桐山 凌
こんなん言われて恥ずかしくねーのかよ
涌井 明里
え、…と
涌井 明里
(そんなこと言われてたの…)
桐山 凌
……はぁ
桐山 凌
陰口言う方もイラつくけど
桐山 凌
お前がそんなんだからだな
涌井 明里
そんなこと言われたって__
桐山 凌
俺、お前みたいなやつ嫌いだわ
桐山 凌
物ハッキリ言えないやつ
涌井 明里
………っ
凌はそれから黙って資料を集めた。
桐山 凌
ほらよ
そして資料の束を明里に手渡した。
涌井 明里
……
桐山 凌
じゃあな
凌は背を向けて廊下を進んで行ってしまった。
涌井 明里
………
グチャ
明里は資料を力強く握った。
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教室に資料を運んだ後、
明里はすぐにトイレに駆け込んだ。
涌井 明里
………
涌井 明里
(なによ!)
涌井 明里
(めっちゃむかつく……ッ!)
なによなによ桐山凌!!
そんなにお願いを断れないのがダメなこと!?
涌井 明里
イライラする…って
私、桐山くんに何か危害を与えた!?
なんで私が悪者みたいになってるの!
お願いを聞いてるんだから良いことをしてるはずでしょ…
涌井 明里
………
涌井 明里
(ああ、やだなぁ)
涌井 明里
(私、あんなことを言われたのに)
涌井 明里
(…全く悔しくない)
こんなイラつくのは桐山くんじゃなくて
多分
自分にだ__
涌井 明里
(私が愚かなことくらい知ってるよ)
涌井 明里
(桐山くんみたいに物をハッキリ言えればどれだけ楽なんだろう)
……
桐山くんになりたいなぁ___
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放課後になった。
クラスメイト
涌井!
クラスメイト
ごめん!ほんとにごめんなんだけど
クラスメイト
掃除当番変わってくんないかなー?
涌井 明里
……!
涌井 明里
な、なんで…?
クラスメイト
急用あってさーー
涌井 明里
え…
「もっと自分の気持ち伝えれば?」
凌の言葉が明里の脳で再生された。
涌井 明里
………
涌井 明里
……
涌井 明里
ごめん
クラスメイト
…はっ?
涌井 明里
(こわいけど、)
涌井 明里
(でも…私はロボットじゃない)
涌井 明里
私も用事があるの
クラスメイト
……
クラスメイト
いやいや、いつも変わってくれるじゃん
涌井 明里
……っ
涌井 明里
ごめんっ!
明里はタッと駆け出した。
クラスメイト
ちょ…ッ!
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涌井 明里
はぁっはぁ…
涌井 明里
(逃げてきちゃった…)
ドキドキドキドキ__
なぜか鼓動は早くなる。
涌井 明里
(断れ…た)
この動機は断れたことに対する喜び、不安、__
理由は分からないけど
変われた気がして、嬉しかった
涌井 明里
……
明里は口角を少しあげ、ドキドキする胸をおさえた。
涌井 明里
(よし、先生に授業のこと質問したし、帰ろう)
涌井 明里
(今日は頼みを断れたし何だか気持ちが楽だな)
桐山くんの言葉はとても傷ついたけど
なんだか救われた気がする。
明里が玄関に足を踏み入れた時だった。
クラスメイト
は〜?まじ〜?
クラスメイト
そー!まじまじ!
クラスメイト
『便利な首席様』がさ〜掃除当番断ってきてさ
ピタッ、と明里の足は止まった。
クラスメイト
うっそ
クラスメイト
面倒なこと代行サービスさんが?w
クラスメイト
そう!まじ驚きなんだけど
涌井 明里
………っ
涌井 明里
(私のことだ…)
涌井 明里
(今日掃除当番断っちゃったことすごく怒ってる)
クラスメイト
どうせ友達もいなくて放課後も暇してるくせにさ
クラスメイト
変わってくれてもいいよねー
クラスメイト
ほんとにねw
クラスメイト
めっちゃうざいじゃん
クラスメイト
ほんとほんと
涌井 明里
……
明里はそっと陰に隠れて聞き耳を立てていた。
涌井 明里
(断らなければよかった)
明里の目には薄く涙が溜まっていた。
涌井 明里
(断らなければ嫌われなくて済んだのに)
涌井 明里
(自分の気持ちなんて伝えなければよかった…)
人に嫌われるのは
自分を否定された気がして
すごい嫌だ
涌井 明里
………
タンタンタン___
涌井 明里
(誰か、来た…)
廊下の奥から誰かが歩いてくる足音がする。
明里は顔を見られないように下を向いていたが、歩いてくる人の顔を見てギョッとした。
涌井 明里
……ぇ
桐山 凌
……
凌は黙って明里の前を通り、クラスメイトたちがいる玄関へと出た。
クラスメイト
んでさ、それで〜
桐山 凌
お前らうっせーわ
凌の言葉でシンと静まり返る。
桐山 凌
廊下の奥まで丸聞こえなんだよ
クラスメイト
え…急に何?
クラスメイト
桐山くんだよね?
桐山 凌
今の話涌井のことだろ?
クラスメイト
えっ
涌井 明里
……!
桐山 凌
俺が1番嫌いな奴
桐山 凌
陰口言うやつら。
桐山 凌
お前らだよ
クラスメイト
……は
クラスメイト
なによ、急に!
桐山 凌
涌井は面倒なこと代行サービスでも、便利な首席様でもねーよ
桐山 凌
アイツも仏様とでも思ってんのか
クラスメイト
そんなんじゃ…ッ
桐山 凌
まじうぜーわ
クラスメイト
………っ、
クラスメイト
もう行こ…
クラスメイト
う、うん…
クラスメイトたちは逃げるように校舎から出ていってしまった。
涌井 明里
………
涌井 明里
(なに、いまの…)
桐山 凌
…。
桐山 凌
涌井。いつまで陰でコソコソしてんだよ
涌井 明里
!!
明里は陰から体を出した。
涌井 明里
………
桐山 凌
なんであんな酷いこと言われてだまって聞いてたんだ
涌井 明里
……
涌井 明里
言えないよ、桐山くんみたいなこと
桐山 凌
俺みたいに言わなくていいだろ
桐山 凌
自分の気持ちを言うだけ
涌井 明里
(それが難しいの)
涌井 明里
……
涌井 明里
庇ってくれたの?
桐山 凌
…何勘違いしてんだよ
桐山 凌
俺の気持ちを言っただけ
桐山 凌
庇ったつもりは無い
涌井 明里
……
涌井 明里
それでもありがとう
桐山 凌
……
涌井 明里
…何がダメだったんだろ
涌井 明里
私、今日桐山くんに言われたこと思い出して
涌井 明里
ちゃんと断ったんだよ
桐山 凌
…
涌井 明里
でも、あんなこと言われて__
涌井 明里
(ああダメだ。泣きそう)
涌井 明里
私のやること全部…どうしたって誰かが不幸になる
桐山 凌
……は?
桐山 凌
いやどういうことだよ
涌井 明里
私がお願いとか断っても、お願いしてくれた子が不幸になるじゃん
涌井 明里
でもお願いを引き受けたとしても私が不幸になるの
涌井 明里
……
桐山 凌
………
桐山 凌
お前、___
桐山 凌
めんどくさいな
涌井 明里
…!?
桐山 凌
頭の中お花畑か
桐山 凌
他人なんてどうでもいいだろ
桐山 凌
選択にデメリット、メリットをいちいち考えてたら
桐山 凌
キリない
桐山 凌
お前がどうしたいか、
桐山 凌
それだけ
桐山 凌
以上
涌井 明里
…………
涌井 明里
お前じゃないもん…
桐山 凌
…なんて?
涌井 明里
涌井明里だもん
桐山 凌
………
桐山 凌
…なんだそりゃ
涌井 明里
名前
涌井 明里
ずっとお前呼び…
桐山 凌
嫌だって?
明里はこくりと頷いた。
桐山 凌
…なんだ、言えるじゃん
桐山 凌
明里。
ドキンッ…!
涌井 明里
なっ
涌井 明里
わ、涌井でいい!
桐山 凌
急に声でか
桐山 凌
涌井な。
涌井 明里
う、うん…
涌井 明里
(びびび、びっくりした…)
桐山 凌
涌井
桐山 凌
今から時間ある?
涌井 明里
…え?
涌井 明里
ある、よ?
桐山 凌
そうか
桐山 凌
じゃあこい
涌井 明里
………え?
凌は明里の手を引いて歩き出した。
終わりました〜
これから忙しいのでそんなにかけないと思います ごめんなさい!
ばいばいちゃ!
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