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「葛葉、情が写ったなんてこと、ないよね?」
「…大丈夫、情なんてうつらない。」
「叶こそ撃てんのか?」
「うん、」
僕たちはネイバーだ。
ボーダーの敵だ。
僕たちの国は幼い頃他国から襲撃を受けて灰になった。
その時に僕と葛葉は父からブラックトリガーを貰った。
いや、貰ったでは無い。
父はブラックトリガーになったのだ。
数年前
僕たちに親なんて存在はなかった。
たまたま僕と葛葉の父になる人が見つけてくれた。
幸せだった。
不自由はあるがそれなりに充実して過ごせていた。
なのに、
その幸せは一瞬で崩れた。
ボンッバンッ
「ゴホッコボッ…なん、で、ッぁあッ、」
「父さんッ!!起きて、やだッ死なないで、!!いや、ッウグッ」
「葛葉、叶、父さんは死ぬ、だからお前ら2人にはこれをやる」
「ずっと傍にいるから安心しろ、」
「や、やだッ、やだやだやだッ、〜〜〜ッぅぁ゛あぁあぁ〜ッ」
その瞬間淡い光で僕と葛葉の体が包まれる。
そして傷が治っていく。
父さんの姿は光のせいでよく見えず、ひらひらと体がかけていくのだけがわかった。
目を開けるともうそこには父さんの姿はなく、僕と葛葉の手には小さな黒い指輪のようなものがあった。
「ねぇ葛葉、僕が死んだら一緒に死んでくれる?」
「…死ぬことなんて絶対にない」
葛葉はそういう。
奇跡がない限り死ぬことは目に見えているのに、一緒に死んであげると言わない葛葉は何を考えているのだろうか。