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こはる
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#切ない
こはる
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書き方が少し変わりました。
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第56話
それから、無事連行してもらった。グレーテも、無傷。ノアの視線は少し鋭いから、『やめておいたほうがいい』と、アイコンタクトを送っておいた。
ノアがマークしているのは、後ろの方で銃を持っている女性。隠し上手だけど、私たちにはバレバレ。
「そんなに気になるなら、見てきたら? でも、無傷を約束して」
無傷を約束……殺らないのと、無理をしないで帰ってこい。ちょっとした言い回しだ。ノアも意味は分かっている。
ま、その語源が殺し屋って事はあれだけどね。うん。
「分かった。行ってくる」
「そう。グレーテ。ダンスは終わったみたいだから、ちゃっかり交じっちゃおうよ」
「うん」
私たちは、ホールに戻った。ダンスは終わっていて、間の休憩みたいな時間になっていた。
そういえば、ここに集まっている年齢層はあまり高くない。私みたいな成人してるか、してないかみたいな人から三十代くらいの人までくらい。楽器奏者は四、五十代だけどね。
今回の参加条件は、男女のペア。私はノアと。グレーテはさっきの男と。
「ありがとう。何だかあいつを吹き飛ばしてくれてスッキリした」
「それなら良かった。……それで、ノア。その傷、何?」
私がため息交じりに後ろを向くと、傷を隠したノアが曇った表情で立っていた。
「ごめん……」
「私も、腕が落ちたものね。見破れなかった私の所為でもある。よく、片付けたね。ありがとう。でも、次のダンスは踊ってもらうわよ」
私が誂うように笑った。私の魔力は多分、モヤモヤしているのだろう。
「あぁ」
ノアはそう言って頷いた。
❂
ダンス中、何やらどこかで不穏な魔力が見えた。
まだ、いるか……腕は、そこそこだ。一斉にかかってこられたら、確実に怪我人は出る。
「君、可愛らしいね。何歳なの?」
「今年で十二です」
見えない耳をへたらせながら早く終ってくれないかなと心の中で唱えていた。
「ふぅん。人質になってもらう?」
その人からも怪しい魔力の動きが見えた。
俺は離れようとしたけど、この人の握力が強い。手の骨は粉砕できるだろうけど、そんな目立つような動きは出来ない。
「ふふっ。もう、私は悪者だから君の恐れている行動は直ぐにできるけど……どうする?」
「戯言はよしてください。コチラも動きを封じる術はもっていますから」
「それにしても、普通の男の子にしては力が強いわね」
「俺の家は、代々騎士をやっていて……実兄が騎士団に入っているんですよ」
……嘘は、信実と混ぜると騙せやすい。だけど今回は、嘘は吐いていない。
兄も俺が捨てられる頃には既に聖騎士なっている。それに、騎士をやっている家というのも事実。父も、祖父も高祖父も……ずっと先代から聖騎士。
「へぇ……実兄ね……」
そう呟いたところで音楽が終わった。
それと同時に、その人は、剣を取り出した。
……やるしか無いのか。
「ノア。私も入るわ。無傷を約束してね」
「分かってる。それに、俺くらい護身用グッズくらい持ってる」
俺はそう言って、剣を取り出した。今日のために借りたケスラー近衛団の剣だ。
リナはいつも通り、金属バットってやつ。
鋭くない……というか、丸いけど、ハンマーより使い勝手がいいし、振り回しやすい。
「グレーテはここにいて。守るから」
俺はそう言っている間に、突っ込んだ。この剣は重心がしっかりしてて、軌道がズレない。
この人もかなり強いけど、本気とはいかないかな。
「君、獣人? 魔力がかなり狼っぽく唸ってる」
俺は口を一切開かずに斬った。
斬ったと言っても、髪と剣だけ。
「貴女に勝ち筋なんて無い。分からなかったんですか?」
「ふふっ。思ったよりハードのようね」
は? 舐めてるのか?
いつの間にか、他の人もグレーテさんを狙っている。五人くらいいて、リナがボコしている。
「はぁ〜。大人しくしてて下さい」
俺はそう言って手足に筋肉の信号がいかないような魔法をかけた。リナ曰く、『麻酔』という物らしい。
麻痺をさせて痛みを感じさせないようにする技術。
『ノア。他にも気をつけた方がいい事は沢山ある』
そんな声が聞こえた。いつものあの男の声。
だけど、錯覚なのかは分からないけど、金色に光る瞳の男性が見えた。フードを被っていて、隙間から見える髪の色は薄いブロンド髪。
誰だか知らない。でも、分かる。この人が世界を造った張本人で、あの時――強盗された時に謎に感じた魔力の持ち主だと。
分かってますよ。だって、リナが相棒たる者、油断のゆの字もない。
俺がそう思いながら手足を縛っていると、矢が飛んできた。でも、結界に当たってコロコロと足元に転がっていった。
『あははっ! ノア。君も面白いね。でも、今、かかってる呪いは違うね』
コメント
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こはるさん、第57話読みました! 今回のバトルシーン、緊迫感がありつつノアの「俺は口を一切開かずに斬った」みたいなクールな動きにドキドキしました。でもラストの金色の瞳の男性の登場で一気に世界観が広がる感じがして、続きがすごく気になります…! リナの無傷を約束するスタンスと、ノアの真面目さのバランスが絶妙で、ずっと応援しながら読んでました。次も楽しみにしています🌷