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里実Part3 今日もまた怒鳴られるのか。大切なものを奪われるのか。幼い弟達の悲しい顔を見なければならないのか。誰よりも早く俺は起きて家を出発する。開放感とともに弟達ごめんって気持ちが湧き上がる。頼りない兄ちゃんでごめん。残してごめん。力不足でごめん。ごめん。ごめん。ごめん。1日に何度謝るか。幼い俺は1日50回は謝っていたと思う。俺のリュックには弟達の絵が入っている。楽しい家族の絵。そこには母さん・父さん・俺・次男・三男が描かれている。幸せそうに。満面の笑みで。こんな日々が続けばいいのに。叶わない遠い夢を想い、自分への嫌悪感も湧いてきた。早く弟達を逃してやりたい。母さんと父さんの支配から逃れたい。
瑠都Part3 リレーは頑張ってる。はぁはぁはぁきつい。リタイアしたい。休みたい。そんな思いを砕き消すのが担任だった。おお、頑張ってるな。もっとやれよ。そう言って立ち去っていく。もっと?今より?頑張ってるなそんな言葉はいらない。応援してほしい訳ではない。でも体が音を上げるのはすぐだった。学級委員とリレーそして勉強。頭は混乱していた。走っているときも計算問題を解く。勉強をしながらクラス運営について考える。学級委員をしながら走法について模索する。瑠都に瑠都くんに。少しは挑戦してよ。お願いだから。助けてよ。そう思いながら今日も目覚める。辛いの?苦しいんだ?違う。ただ声を聞いて欲しい。自分の意志で、決めたい。でも無理。もさっとまた布団に潜り込んだ。