あれから何日か経って、彼女はよく血を吐くようになった。
それからもう少しして、喉にものを通さなくなった。
それからあと少しして、彼女は喋らなくなった。
あと少しで2週間というところで彼女は体を起こさなくなった。
あぁ、そろそろ潮時かな、なんてことを考えていた。
そんなある日だった。
「で、んし……ざ?」
彼女が口を開いた。
「っ……何?」
「ぞと、に……ぃぎだ……い、な。づれていっ、で、く、れう?」
「……それは、もう逝きたいということで、いい?」
「わ、がんなぃ……そどに、いげだぁ、それで、い、ぃ」
「……わかった。君のこと、ちゃんと届けるよ」
「……ぅ」
彼女は喋るのも辛いのか、喉をヒューヒュー鳴らしていて、とても苦しそうだ。
ぼくは今からこの苦痛を味わわなければいけない。
「さて、いくよ」
「ひゅぅ……」
彼女は最後、少し口角を上げて目を細めた。
瞬間、ぼくにとてつもない苦痛が襲う。
「ヴ、ぁ……!!!!ぐっ、」
「……」
彼女はいつも、こんな苦痛を我慢していたのだな、と他人事のように思う。
彼女からでてきた彼女を天術で包み込む。
ここからは集中しなくちゃ。
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