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痣

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5 - Atm-2

♥

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2021年12月11日

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【Atm-2】


「私は好きなのよ。彼のリビドーが」


私はコーヒーを飲んでから、白いナプキンで口を軽く拭いた。ナプキンに付いたコーヒーの跡は、私の身体に刻まれた烙印のようにみえた。


私は改めて「いい人を紹介してくれて、貴方の彼氏を私にくれて、ありがとうね」と、紗栄子に感謝を述べた。


紗栄子は「ゴメンね…本当にごめん」と言って、泣いてしまった。紗栄子の身体の痣は少しずつ薄くなっていき、やがて消えていくのだろうが、心に負った傷はまだ癒えていない。


恐らく次に付き合ってくれる相手が癒してくれるかもしれないし、下手をしたら悪化させてしまう可能性もある。


ともあれ、親友の紗栄子には、私のように早く幸せになって欲しいと願うばかりだ。


私は改めて、世の中には色々な人がいるんだなと思った。彼然り。私然り。



とまぁこの話はここで終えて、このまま解散にしても差し支えないのだが「そういえば」と私は、紗栄子に準備しておいたブルーレイのディスクを見せつける。


今日はこれを見せるために、紗栄子と会う約束をしていたことを思い出したのだ。


「……何?コレ?」


紗栄子はキョトンとした顔を浮かべ、私の目を見つめてきた。


私はそんな彼女に向けて「彼氏とのハメ撮り動画」という。


口をあんぐりと開けている紗栄子を他所に、私は続けて「最近、法律が変わったの。知ってる?」という。


紗栄子は当然のように、首を横に振る。そんな彼女に、私は簡単に説明した。


「最近、DV暴行罪の取締りが厳しくなってね。DV保護に関して家庭裁判所に申し立てればすぐに裁判を受けられるようになったのよ。私がこの証拠と共に彼に突きつけたらどうなると思う? 彼は、社会の地位も金も無くなってしまう。つまりは彼のライフは私の手の中にあるってことなの」



——それを意味するところは、支配の逆転。



私も彼と同じ。深い絶望に襲われた彼の顔を見てみたいと思ってしまったのだ。


私は鞄の中に仕舞ってある残り九枚ほどのディスクを取り出して、不釣り合いなほどお洒落なカフェの机の上に一枚ずつ並べていった。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

3

ユーザー

弱さを利用して逆転する展開に驚きました。より強い知能的なサディストに出会ってしまった彼氏のほうが可哀想なくらいの展開にワクワクしてしまいます。

ユーザー

最後の逆転に驚きました!でも、別れるつもりはないんですね……。怖かったです💦

ユーザー

割れ鍋に綴じ蓋(DV彼氏の被害を引き受けてくれたのだから可哀想?)だけど、生殺与奪の権は彼女が握ってる、そんなに業の深い事を続けていたのなら自業自得ですよね!

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