コメント
2件
偉そうに何様だろうね!? 全部人のせいにしようとしてるけど、あんたが今まで裏でやってきた悪事の事実は消せないよ!💢 こんな異常な性格の女じゃねぇ.... 寄りつきたくもなくなるよ😱😱😱 夫だけでなく、実の息子にも見放されてるし....
怜香さえ現れなければよかったのよ!!!なんなのよ!エッラそうに🗡️💥🗡️💥⚔️💥
外で会おうと最初に誘ってきたのは風磨で、特に奴の事は嫌いじゃないので、応じているうちに恋人を紹介してくれた。
怜香が会社でも幅を利かせ、俺と風磨の扱いに大きな差ができている以上、根本的な解決はなされていない。
だから一緒に飲みに行くとしても、まだ本当の兄弟のように……とはいかず、ぎこちなさがある。
しかし風磨は俺に意地悪をした事はなかったし、怜香にいびられていた時に無反応を貫いていたとはいえ、あれが奴なりの最善策なのは分かっていた。
この関係性を放置すれば、俺たちは一生関わらずに生きていくだろう。
だが風磨は負い目から、『母親の目が届かない所でなら……』と考えたのだと思う。
俺はその気持ちが分かったから応じようと思ったし、エミリを紹介された時は素直に祝福した。
風磨は歩み寄りたいと思った一方で、エミリと結婚する際の味方を増やしておきたかったのかもしれない。
あいつはモンスター級に強気な母親を持ったからか、女性にリードしてもらったほうが楽らしい。
風磨は女性社員から『理想の王子的スパダリ』と呼ばれていて、確かに仕事はバリバリできるしカリスマ性もあるが、私生活ではかなり受け身なタイプだ。
だからハキハキしたタイプのエミリと馬が合ったんだろう。
二人は数年前から同棲していて、両親にも結婚したいと伝えていたと思う。
しかし怜香は風磨の恋愛結婚を許さず、自分たちや会社の利益になりそうな相手と結婚させたがっている。
むしろこの女は結婚生活を壊されたからこそ、今度は自分が支配する側に回り〝理想の生活〟を送ろうとしているのかもしれない。
理屈は分かるが、同意はできない。
今もまた、こいつは理不尽な理由で俺を痛めつけようとしている。
だから敢然と断った。
『お断りします。彼女は兄貴の恋人だと、あなただって分かっているでしょう』
すると怜香は腕を組んで笑った。
『風磨は別の女性と結婚するの。もう三ノ宮グループのご令嬢に釣書を送ってあるわ』
(何を勝手な事を)
そう思うと同時に、風磨がどんな目に遭うか心配になった。
この女はいい子の風磨なら、何があっても自分の言う事を聞くと信じて疑ってないんだろうか。
黙っていると、怜香はせせら笑って言葉を続ける。
『それにあなたみたいな人と結婚する女性なんていないでしょう? 弟なんだから風磨のお下がりで丁度いいんじゃない? 彼女は秘書だし、あなたみたいな問題のある人でも〝お世話〟が得意なんじゃないかしら』
怜香はエミリを侮辱し、さらに俺を嘲笑する。
『三十二歳になっても、まだ恋人がいないんでしょう? もしかして不能なの? それなら病院に行かないとね? それとも夜遊びをして相応の相手でも見つけた?』
怜香が言っているのは、贔屓にしている小料理屋の女将の事だろう。
彼女とはそういう関係じゃないのに、女と聞けばすぐ下世話な方向に結びつける思考に反吐が出る。
そこまで侮辱されても我慢していると、怜香は目に苛立ちを宿してさらに責めてきた。
『あなたの遺伝子なんて途絶えてしまえばいいのに。人の夫を寝取った女の子供が、まともな恋愛をできるはずがないわ。仮に結婚できても絶対不倫するわね。あなたの子供も同じ運命を辿るわ。あはは! それなら色仕掛けが得意な丸木さんで丁度いいじゃない』
『…………っ』
俺はきつく拳を握り、震わせた。
俺を侮辱するだけならまだいいが、ここで故人を持ち出す必要はあるか?
『言葉が過ぎやしませんか?』
言い返すと、怜香はギラギラとした目で俺を睨んできた。
『何様のつもり? あなたが八年間ものうのうと篠宮家で生活していた裏で、私が屈辱的な思いをしていたのを知らないの? あなたの母親は、既婚者をたぶらかして子供を二人も産んだのよ! その子供が家にいたのよ!?』
怜香の口から怨嗟の声が漏れ、その言葉は呪いを纏っているように感じられた。
『私がなぜ離婚しなかったか分かる? 見合い結婚であっても夫を愛しているし、妻の役目を果たそうと決めているからよ! 私は篠宮家に嫁いで風磨を産んだ。あの子が理想のお嫁さんをもらって立派な社長になり、可愛い孫を見せてくれる日まで、絶対気を抜けないの!』
怜香は鬼気迫る表情で続ける。
『離婚すればいい笑いものになるわ。私が結婚した時、どれだけ周囲から羨まれたか知ってる? 美男美女と言われて〝理想的な家庭を築くに決まっている〟と言われていたのよ。それが…………』
彼女はワナワナと全身を震わせて俺を指さし、ヒステリックに叫んだ。
『〝あなた〟さえいなければ……っ! どうして私の夫なのよ! なんで他の男じゃ駄目だったの? 学生時代からの付き合いなら何をしても許されるの? 私が夜も眠れず子育てしている裏で〝あなた〟は夫と寝ていたのよね! 汚らわしい!』
怜香は怒りのあまり、正気を失いかけているようだった。