僕は一時たりとも水源精から目を離せない。すると少女が僕の右手を引っ張った。そして小さな手で僕の袖に隠れた手を開こうとしていた。僕は少女の方に目を向けれないので、感覚だけで手を開くと、少女が何かを僕に握らせてきた。その握った物を前に突き出すように見ると、青い光沢が入ったナイフだった。水源精は僕に言った。「そんなナイフなんかで戦うとか笑、舐めてんの?」僕は真剣な表情でナイフを傾けた。そして水源精が高圧の水を放って、僕がそれを避けた。僕は一瞬の隙も逃さずにナイフを水源精に刺した。でも刺しても無駄だ。すぐに再生するし、刺した武器は吸収されて、その精霊の一部になる。そして吸収される前に引き抜いた。すると目の前が閃光のように一瞬光った。そしてその光に気づいたのか純恋が来た。純恋が僕の武器を持ってきてくれた。そして僕は少女からもらったナイフを腰のベルトに刺し、ここは純恋に少し任して、僕は少女のもとに向かった。
いつの間にか雨は止んでいた。僕はナイフを返したが、少女は拒んだ。僕が理由を聞くと、小さな口で小風にも流されそうな声で答えた。「これはね、わたしのせかいで、つくられた、とくべつなひとへの、ないふなの。」僕は耳がいいので聞き取れたので良かった。「だから、わたしはもっちゃだめ…」「そんなことないよ。」「わたし、とくべつなひと、みつけた。」「特別な人?」「うん。いま。」「それは…誰の事?」「あなた。」「僕?」「うん。」そして僕は青光るナイフを見て、さっきの閃光はなんなのか不思議に思った。そして純恋と水源精が帰ってきた。水源精は暴走から醒めていて、なんかしょんぼりしてた。「さっきはごめんなさい。歌澄。」そして純恋が少女を見ると、少女は体を縮めて僕の服を掴んで後ろに隠れた。僕は少女を撫でたあと、「また来るね。」といってそこから一旦離れた。
僕はあのあと、少女からもらったナイフを研いでいると、研ぎ屑もキラキラ光っていた。水に当てると光るし。不思議なナイフだなって思った。
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