テラーノベル
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夜中、ふと目が覚めた。
部屋は暗く、静まり返っている。
時計を見ると――
0時03分。
隣にいるはずの佐久間が、いない。
💚「……佐久間?」
小さく名前を呼ぶ。
リビングから、かすかな物音がした。
阿部はベッドから降り、ゆっくりと廊下を歩く。
胸が妙にざわついていた。
リビングのドアを開ける。
そこにいたのは――
佐久間だった。
ソファに座っている。
だが、様子がおかしい。
いつものようにゲームをしているわけでも、
動画を見て笑っているわけでもない。
ただ静かに、窓の外を眺めている。
💚「……どうしたの?」
阿部は不思議そうに声をかけた。
その瞬間。
佐久間がゆっくり振り返る。
💚「……っ」
息が止まった。
その目には――
いつもの光がなかった。
🩶「……起きたのか」
低い声。
落ち着いているが、どこか冷たい。
💚「え……?」
阿部は思わず立ち尽くす。
目の前にいるのは、
たしかに佐久間大介のはずなのに。
まるで別人だった。
🩶「そんな顔するなよ」
佐久間は小さくため息をつく。
🩶「驚くのも無理ないけど」
💚「……さ、佐久間なの?」
🩶「そうだけど違う」
💚「……え?」
阿部の心臓が大きく跳ねる。
🩶「今は……あいつじゃない」
静かな声。
だがその言葉は、はっきりしていた。
🩶「0時を過ぎると…」
🩶「俺が出てくる」
💚「…何が起きてるんだ」
理解が追いつかない。
🩶「昼間のあいつは」
🩶「覚えてないよ」
そう言って佐久間は立ち上がる。
そして阿部の前まで歩いてきた。
距離が近い。
🩶「阿部亮平」
🩶「俺はあんたをよく知っている」
その目は静かで、感情が読めない。
阿部はただ呆然とする。
🩶「あいつが好きになるわけだ」
💚「……え?」
すると佐久間は、興味を失ったようにソファへ戻った。
🩶「安心しろよ」
🩶「俺は、あんたに興味ない」
その一言に、
なぜか阿部の胸が
少しだけざわついた。
つづく。
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