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どうにか短く読みやすく!って思ったけど、結局長い…。次回はちょっと状況説明しようかなと思います。 あと、言うの遅い気がしますけど、キャラ崩壊あり得ますのでご理解お願いします🥺(私に文才はないので…😞)
※前回の続きです!
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「少し前に天王寺組の今田派から配下につけという話がきましてね…。それが喧嘩のきっかけですわ」
だが、栗林組は奴らの話を断固拒否した。
それが争いの原因となってしまったという…。
「ウチの若い構成員が天王寺組の構成員を殴った、という理由で攻められましてね…。ただ、殴ってくれてよかった。やらなきゃどうせ、俺が殴ってました」
「それは俺でも、我慢出来ないかもしれません(守若だったら絶対殺すヤツだな…)」
奴らは相手に先に手を出させてから報復する、まるで戦国時代のやり方だ。
「すでに組員が四人殺されました。元々15人なんで、うちはもうボロボロです」
「そうですか…」
「せやけどねぇ…。この渡世に生きている限り、あんな外道共相手に引くわけにはいかんでしょうが!」
それは理不尽に仲間を殺された男の怒りと決意の咆哮だった。
すると神成組長に一条の兄貴が、思わぬ提案を持ちかける。
「神成組長。今田派を潰すのを手伝いましょうか?」
「…は?」
「ウチは証拠を探してましてね、天王寺組と接触してみようかと」
「もちろんあなたのような猛者に協力いただけるのはありがたいですが…、そんな事お願いしてええんですか?」
「ただ、確証がない状態で敵の支部に乗り込んで暴れるのは組に止められてるんです。なので…、栗林組の一員ってことにしてもらえませんか?そのクソ共は必ず僕が全滅させますので」
そう言って一条の兄貴は、不敵な笑みを浮かべた。
「( この男、なんという闘気…。長年この世界にいるが…見たこともない)」
「どんと泥船に乗ったつもりでいてください」
「(大船、では…?)せやけど、喧嘩してる最中にそんな情報引っ張れますか?」
「それに関して一つアイデアがありますので、それだけ協力してくれると助かります」
その翌日、今田派の支部に一本の電話が入る。
「何ぃ?話し合いがしたいやて?」
それは栗林組からの会談依頼だった。
「今田の兄貴、栗林組が直接話をしたいと」
「なんやて?あの雑魚ども、ついに折れよったか。ええやろ、うちに招待してあげなさい。ただ、二人までと伝えとき。その数なら現場でハネかえっても死ぬだけやから」
「しかし今田の兄貴、アイツら下につけてどうするんですか?」
「あぁ、そんなん特攻隊に決まっとるがな。あいつら、戦闘力だけはそこそこありよる。関東進出の時、まずは奴らに戦わせときゃあ、ウチら最初は楽できるやろ」
「なるほどです」
こうして栗林組の訪問が決まった。
訪問する二人は一条の兄貴と神成組長。
栗林組の構成員が数人、直前まで付き添う。
「相手や組にバレるとまずいんで、僕の名前は『一村』ってことにしてください」
「ああ、わかりました」
一条の兄貴は髪型をセンター分け、服装やピアスまで変え、バリバリの変装で挑む。
敵組織に組長含めたたった二人で行くなど、本来自殺行為だ。
「安心してください、今田派を潰すと言ったなら責任を持ってあなたの身も守ります」
「(これほどの任侠を持っとる…。俺にはわかる。コイツは人生を賭けていい男や)」
加えて、付き添いで来た構成員には会議こそ入らないが、重要な役割を任されていた。
「すいませんが、車を完璧なタイミングで出してください。逃走用に使います」
「は、はい!」
そしてここから今田派との直接交渉が始まる。
天王寺組支部の事務所内には約二十人ほど構成員がいた。
「神成組長、ご足労ありがとうございます」
「こちらこそ話し合いの機会を感謝します」
「私、栗林組の一村と申します」
「あぁ、よろしくお願いします(こんな奴おったんか…?)」
だが応接室に通された二人は…
「ほんま、早よ来てくれはったら誰も死なずに済んだのに」
「(今田ぁ、このクソガキが… )」
衝撃の光景を目にする。
「うおっ…、なんでこんなに」
「(外道共が…、最悪俺らを殺す気だな)」
なんと奴らは十人体制で打ち合わせに望んできたのだ。
「おい、鍵閉めろ」「はい」カチャッ
「それで早速ですが、栗林組さん話ってなんですか?」
「あぁ、それなんですが。栗林組は死者も多数出ており、手打ちをお願いしたくやってまいりました」
すると今田は、高笑いとともに口を開いた。
「ハッハッハ!そうですかそうですか。オタクもねぇ、キツかったでしょうから」
「ちなみに今田さんは天王寺組の関東進出の一端を担ってると聞きました。我々、その辺をお手伝いすれば手打ちにして頂けるんでしょうか」
「よう調べてはって、その通りです。一緒に大いなる夢見ましょう。まずは黒焉街あたりの利権が欲しいなぁとは思てます」
「黒焉街…あそこは京極組さんのシマやったと思うんですけど、狙いは京極組ですか?」
「まあ足がかり的に京極組からいこかって、本部が言ってましてね」
ちなみにこの会話は、一条の兄貴が神成組長のスーツの胸部分に仕込んだレコーダーで全て録音されていた。
これこそが一条の兄貴が考えた作戦だった。
「(京極組を足がかりだと?)」
「天王寺組さんと戦争してわかった。命が何個あっても足りまへん。傘下に入れてもらったら、安心なんです!今後も僕らが先頭に立ってやるんで…!京極組潰したら、その次もやらせていただきますんで!」
神成組長が必死の形相で今田に訴える。
「(ビビリ腐って、アホやコイツ。ほな栗林組全員死ぬまで、捨て駒として使い切ったらええわ)」
神成組長による一世一代の芝居…。今田の警戒心が緩む。
「つ、次はどこ狙ってますの?」
「京極組叩けば、あとは弱なっとうとこばっかですから、まあ天羽組か河内組あたりですわ」
「せやけど彼らが天王寺組に粉かけてくることないでしょう。喧嘩のきっかけを作らなあかんと思うんですけど、どないされるんですか?なんでも手伝いますんで」
「(四人も殺されて怖なってもうて…、もうおかしなってるわ。こら使えるなあ) 神成さん、小さい声で言うんでちょっと耳貸してください…。ウチ…関連にヒットマン組織がありましてね。そいつらがまず相手の偉いさんを狙うんですわ。そしたら相手が勝手に調べて『天王寺組や』いうて騒ぎ出します」
「ほう…」
「証拠はありませんから、ウチは大義を持って相手を潰してそこのシマをもらうわけですわ。そないしたら、業界の評判も悪ならへんし。内部の下っ端たちも自分らが正しい思って一生懸命働きますから…まあ、大昔からよくある偉大なる手法ですわ」
次の瞬間、神成組長が一条の兄貴の方を向く。
「一条さん、今聞きました。高砂さんの犯人こいつらです。ヒットマン送り込むんが常套手段やゆうてます。録音もできとると思いますよ」
「神成、何ゆうとんじゃお前!お前らこいつ追い詰められて訳分からんこと言うてるぞ」
そして兄貴が豹変する。
「俺は京極組の一条だ。よくも高砂の兄貴をやってくれたな…」
その時、一条の兄貴が見せたのは煮えたぎるような怒り。
「き、京極組の一条やと!なんでこんなところに!?」
「たった2人で何ができるんじゃあ!蜂の巣にせえ!」
会議室内の構成員が一気にチャカを抜く。
「こんな狭いところで全員チャカ出してどうすんだ…」
一条の兄貴は瞬時にテーブルの脚を掴む。
「約束通り、あなたは絶対死なせない」
「うおおおお!」
そのまま弾除けにしたんだ。
それとほぼ同時にテーブルから片手にロングナイフを構えた兄貴が抜け出す。
「お礼に腹を裂いてやる」「グエエエエ!」
そして一人の土手っ腹をゆっくり深く切り裂いた。
そして今田達が聞いたのは
「兄貴分〜、襲った大阪人、皆殺し〜…」
一条の兄貴の代名詞、死を告げる5・7・5!
同時に兄貴の纏うオーラが殺気でデカくなる。
「クソがあああ!」「死に晒せえええ!」
「当たるかボケ」
今田達は鉛を放つも、一条の兄貴には掠りもしない。
と、同時に兄貴は敵と敵の対角線を上手く利用していた。
それにより、奴らが兄貴に向かって放ったはずの鉛は…
「グエ!」「バァア!」「ギョオ!」
味方である人間に当たっちまうんだ。
「数と場所によっちゃあ、それがリスクになる時もあるんだよ」
この部屋の中で一人だけ、戦闘IQがずば抜けていた。
「喜べ、なにわアホのてめえらを盾として採用してやる」
「ゴオオオ!」「グエエエ!」
「なんでやねーん!ツッコミ代わりに心臓一突き!」
「もう辞めさしてもらうわー!」
そして九人目までブチ殺した。
「(この男は一体なんや…?規格外すぎる…俺の勘は当たっとった。まるで鬼みたいや)」
「残るはテメエだ…とっとと地獄へ行け」
「ま、待てえ、一条くん!天王寺組に入らへんか?大阪はたこ焼きもあるし、梅田の女は別嬪や」
逃げられないようにとかけておいた内鍵が、仇となったのだ。
「神成組長、ドス貸してください」
「え?はい」
「理不尽に殺された四人の怒りを乗せます」
そしてドスを受け取った兄貴は
「お前黙れ…口からヘドロかなんかの匂いがすんだよ。公害になるから今すぐ死んでくれ」
「クソがあああ!ふざけんなぁああ!」
奴が撃鉄を引く前に、一条の兄貴は一瞬にして懐に飛び込む。
「これが栗林組の怒りじゃあ!もらっとけ!」
「ゴババアアアアアア!!」
そして一条の兄貴は天王寺組一支部トップ、今田を地獄送りにした。
それと同時に事務所にいた奴らがドアの鍵をぶち壊す。
「何しとんじゃあ、ゴラぁ!」
これ以上戦ったとて、増援はいくらでもくるだろう。
だが、一条の兄貴は
「2階からなら問題ねぇ!窓から華麗にりだーつ!」
「うおおおお!?」
神成組長を抱えて、窓から飛び出したのだ。
着地した場所に付き添いで来ていた栗林組の構成員が、ドンピシャで車をつけていた。
「ぐおおおお!」
「親父、一条さん、早く!」
「助かります!」
追手が来る前に猛ダッシュで乗り込む。
こうして、一条の兄貴が大阪に来た目的を達成した。
「神成組長、ありがとうございました。おかげでこちらとしても、証拠を取ることが出来ました」
「ほ、ホントにやったんだ…」
「一条さん、感服いたしました」
「と言うわけで…全面戦争決定だな」
だがこの時の俺たちは知らなかった…。天王寺組に強烈な武闘派支部があるということを。