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捨てられた消しカスの化身
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Ruu
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羽海汐遠
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「悪にまつわる私の唯一の関心は、善人であることを自認している人の心に住まう悪である」
— 中島義道
「突然ですが今日で地球は滅びます」
と、テレビから聞こえてきた時
驚いて持っていた珈琲のカップを落としそうになった
よくよく聞いてみるとそれは、小説のタイトルで、安堵したのを覚えている
などと今朝の事を思い出しながら、僕は椅子に縛り付けられナイフで殺すぞと脅されている
誰もが学生の頃避難訓練を受けたと思う
災害の予兆が来る前に逃げましょうというやつだ
だが、徹夜明けの疲れた体で家に入ると突然頭を殴られ縛り付けられナイフで脅される
そんな予兆は誰が予想出来るだろうか。
「まっ待ってくれ、勘違いだ、僕はこの家の人間じゃない」
自分よりも幼いこの令和には物珍しい下駄を履いた少年に言う
『勘違い、あぁそうだ皆最初はそう言うんだ、で痛い目に遭う、それにアンタがこの家の住人じゃない事は格好からして予想がつく』
ふと自分の服装を改める
黒いパーカーに黒いジーンズ
いかにも強盗という格好だ
『さて、命乞いはおしまいか?最期の言葉は残せたか?』
少年が薄く笑いを浮かべながら言った
もしこれが恋愛映画なら正義のヒーローが助けてくれるだろうか?
そしてキス…なんてことを妄想している場合ではない
今は助かる方法を見つけなければ
「僕は強盗なんだ君の目的はなんだい?」
『…殺しが合法になる時を知ってるか?それは戦争だ戦争では悪い奴が無残に殺される』
「それが?」
『つまりだな今この状況であんたを殺しても合法になるって事だ』
……話が通じない
「僕は…」
ガチャと玄関扉の方から音がし家族の和気あいあいとした声が聞こえてくる
まずい非常にまずいこの家の家族が帰ってきた
「と、とにかく今は逃げないか?君も見つかったら大変だろう?」
『…………そうだな、ひとまず撤収だ』
僕らが侵入してきた窓から逃げる
証拠一つ残さないように
走って走って走って逃げたはいいものの
何故少年まで僕についてくるのだろうか
「君の目的はなんだい?」
『……さっきから質問ばっかだな』
自分よりも年下の少年に言われ少しムカついた
「質問ばっかにもなるさ急に僕を殴ったかと思えば椅子に縛り付けてナイフで脅して来るんだから」
『ふむ…それもそうか』
少年は何やら納得したようだ
それにしてもこの少年の目的は何なのだろうか。
コメント
1件
うわ、この第1話、めちゃくちゃ引き込まれました。冒頭の「地球が滅びる」って小説のタイトルだった安堵から、まさかの椅子に縛られてる主人公ってギャップがまず秀逸。あの下駄の少年、目的は何なんだろう…「♡♡♡が合法になる時は戦争だ」っていう台詞、妙にリアルで背筋が冷えました。伏線っぽい「悪は善人の中に住む」って引用も効いてる。続きが気になる!