貴方は希望の光

何故人間は比較するのか？同じ人間どうしで比べ、蔑むのか。俺は未だに理解ができない。

「弟ちゃんは良く出来た子ね～！それに比べて貴方ときたら…」

俺の小さい頃の記憶はこんなものばかり。しょうもない。

＿＿中学の時、弟が病気で死んだ。両親は弟を溺愛していたからとても泣いていた。

母は俺に言った。『弟ちゃんが生きられなかった分も貴方が生きて。貴方が弟ちゃんの代わりになって。弟ちゃんを失った今何を生きる糧にして良いのか分からない』

その日から母と父は俺を弟の様になれと口うるさく言うようになった。

『弟ちゃんは100点をとれたわ！なんでとれないの…？弟に出来て何故貴方は出来ないの！？』

俺は死んだ弟と比較される。弟が死んでもなお、比べられるのか。

”おんりー”という人間など始めっからいなかった事にしてしまいたい。嗚呼、もう消えてしまいたい。