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梟からの伝達が俺の元に届いた

差出人は魔法局に務める実の父から

手紙の内容は何時もどうりだ


「話がある。魔法局に来い。」


父様からくる手紙の内容は決まってこれだ


「また行かなくちゃいけねぇのか….」


手紙など滅多に来ない

たまに来る手紙は半年に1度、母からの一通の手紙のみだった

母親からの手紙の内容も毎度決まっており、 体調はどうか、成績はどうか、ちゃんと価値のある人間になれたか だ

毎年来るその手紙も最初はきちんと読んでいたが、今はその手紙が来ると1文も読みもせずゴミ箱に捨ててしまう

またあの地獄の場に行かなくては行けないのかと渋々思いながら支度をし同寮部屋のアビスに「出かけてくる」とだけ伝え部屋を出た



イーストンから歩いて約30分、 魔法局に到着した

受付に行き、「___・マドルに呼び出され、此方に出向きました」と受付人に伝えると直ぐに父の部屋を案内して貰えた

毎回案内しなくても部屋の位置は覚えているのに

そう思いながらも父の書斎の前に着いた

少し息を整え、意を決して扉をノックした

「入れ」と言われ小刻みに震えながら部屋に入る

父様が居た

父様の部屋は至ってシンプルだ

真ん中にプレジデントデスクが置いてあり、横には本棚がズラリと並んである

そこに並べられている本は政治や経済学などの本、参考書、株価についての本だった

流石は父様。部屋もきっちり整えられており、仕事もきちんとこなしているのだろう。他の社員に比べて書類の数が少ない

少しの間沈黙が続くと父様の方から先に喋り始めた


「呼び出された理由が分かるか?」


「……成績の事でしょうか」


「嗚呼そうだ。ここのところ成績が下がってきているぞ、どういう事だ」


「..申し訳ございません…」


「お前には昔から言っているだろう。価値のある人間になれと、それがどうして出来ないんだ」


「……….ッ、 」


「オーターを見てみろ。彼奴は高等部からイーストンに行き、すぐにトップに認めてもらい今では神覚者だぞ」


「それに比べてワース、お前は高等部どころか中等部からイーストンに通っていながらその結果はたかが寮のトップ、お前が目指すべきはイーストンのトップだ」


「お前は価値のある人間とだけ関係を持て、魔法の弱い価値のない人間なんかとつるむんじゃないぞ」


「何時になったらお前は価値のある人間になるんだ。出来損ないが。」


「……!ッ、…」


「他の局の社員から聞いたぞ」


「先日、マーチェット通りで遊び歩いてたそうだな」


(え…..嘘…..見られていたのか…….)


あの日も本当は勉強の予定がビッシリ詰まっていた


だけどアビスから「たまには少し休みましょう、マーチェット通りに行きませんか?欲しい眼帯があるんです」


と言われ内心は勉強がしたかったが何時もアビスに迷惑を掛けてばっかでアビスの事にはなにも付き合ってられてなかった

たまには良い..よなと思い午前中だけマーチェット通りに買い物に行っていた


「買い物に付き合ってくれたお礼になにか買いますよ。欲しいものはなんですか?」


と聞かれ「いや別にいいよ..」と必死に拒否したがあまりにも要求してくるので少し前に発売されて欲しかった参考書を買ってもらった

アビスには「また参考書ですか?よく買いますね笑」と少し揄われたが参考書を買ってもらったことが俺は何よりも嬉しかった


「どうなんだワース」


「…はい、買い物に行ってました」


「お前は遊びに行く暇なんかないはずだ。そんな時間があるんだったら参考書の1冊でも暗記しろ」


「すみません….ですがッ、あれは俺から誘ったのではなく….ッ!」


「口答えをするな。それになんだ、あの青髪が駄目なのか?」


「私から言えばそいつを退学にだって出来るんだぞ」


「..!申し訳ございません..ッ!俺が悪かったです…!だからアビスにだけは何もしないで…..」


「また遊びに行くなんて事をしたらあの青髪と距離を取らせる。退学なんて手段も有り得るぞ。いいなワース」


「…..はい、お父様」


「期待に応えれず、申し訳ございません」


(俺は…価値のある人間になるために…..頑張ってるのに…….ッッ!)


深々と頭を下げながら拳に力を込めたがそれを振り下ろすことはなかった


「話はそれだけだ。」


「早く出ていけ。私はまだ仕事が残っている。お前みたいに暇ではないんだ」


「申し訳ございません、」


「失礼しました」


ガチャっと静かにドアを閉めた


無価値な俺は地獄の底に堕ちてゆく_

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