side目黒
「まぁ、まず、俺らの組織は人数が少ない」
「そこは分かってますよね?」
『もちろん』
「で、うちの組織はジャニーズしかいない訳ですよ」
「あなたがたみたいにね」
俺らみたいに…?
うそだ
ジャニーズは俺らしかいないって…
『…そうだな』
「どういうことだよ…」
全員がジャニーズなら…
あの時、指示を出した男は…
「誰なんだよ…あいつは…」
「あいつ…?」
『…あいつは、組織の人間だ』
『ちゃんと、ジャニーズの人間でもある』
「…俺はジャニーズでは知らない」
『あいつの顔を思い出してみろ』
そう言われて、顔を思い出す
けれど、思い出せない
『あいつには、顔を隠して、変声機も使ってもらった』
『本当は、お前の同期、』
『佐藤勝利だよ』
「え……」
まさか、そんな…
「嘘だろ…」
しょっぴーも、まさか、あいつが殺しをやっているなんて、想像もしてなかっただろう
「何人もこっちに人を送ってもらいましたよね?」
「いつ来るか分かんないんで、ドキドキしてましたよ〜」
「ま、うちにはあいつらがいるんで関係ないっすけどね笑」
『Lilかんさい……だよな?』
「よくお分かりで笑」
「Lilかんさい……」
まだJrの子まで巻き込んでいたなんて…
「信じらんねぇよ……」
「そんな話、嘘に決まってんだろ!?」
「なんのために、俺らがここに入ったんだよ!!」
「……全然、守れてねぇよ……」
そこで、しょっぴーは、目から雫を零した
俺らがここに入った理由
それは、
大好きな、ジャニーズを、メンバーを守るためだった
なのに、危険にさらして、
守れてない
しょっぴーの言う通りだよ
「ほんと…そうだよ…」
「ま、みんなそうだよ」
「みんな、ジャニーズが好きなんだよ」
「あなたにとってジャニーズはどんな存在?って聞くと」
「みんな、人生とか、青春って答える」
「ジャニーズは、それぐらい大きくて、」
「自分の青春を捧げられる存在なんだよ」
「だから、みんな守りたい」
「守りたいって気持ちは、めめとしょっぴーだけじゃないんだよ」
「…そもそも、なんでこんな組織があんだよ…」
「こんな組織が無かったら…」
しょっぴーの言うことは、十分分かる
俺だって、何回も考えていた
『……君たちが、狙われているんだよ』
「狙われている…?」
『ある時、ジャニーズの人が人質に取られたことがあってね』
『その時に、事務所に身代金を要求してきたんだ』
『その事があってから、色んな偉い人が身代金を得ようと、事務所に入った人を狙っているんだ』
『そして、1回、殺されてしまった子がいてね、』
『そこから、ジャニーズは殺されるのが怖くなって、殺される前に殺そうという考えに発展してしまったんだ』
「そこから、ジャニーズの人たちだけで出来た組織が、」
「めめたちが入っている組織だよ」
「ふっかさんたちは…?」
「俺らは、1部のこの組織に反抗したやつらが作った……」
そこで、ふっかさんは言葉を切った
まるで、言いたくないと言っているようで。
『最初に作られた、この組織を、潰すための集団だよ』
「潰す……」
『だから、敵同士なんだよ』
『それに、人数が少ないのは、』
「関西ジャニーズだから」
そこで、ふっかさんが苦し紛れに言葉を発した
「俺らの組織は、関西ジャニーズしかいない」
「俺を除いて……」
なら、なぜ、ふっかさんは、
「ここにいないの…?」
「俺も、最初はここで動いていたよ」
「でも、向こうの偵察に行った時に、捕まったんだよ」
「そこから、向こうで動いている」
「なんで戻んなかったんだよ」
「……ある人に、頼まれてね」
もう、ふっかさんは俺らの知ってる”ふっかさん”ではなくなっていた
これが、本当の姿なのか、偽りの姿なのか
それは分からないけど、俺らの知らない”ふっかさん”になっていることだけは確かだった
『向井康二だろう?』
「え……」
「まぁ、そうだろうね」
予想はついていた
ふっかさんが頼まれて断れない人は、康二ぐらいだろう
「…その通り」
「よく分かってんな」
『……もういい』
『お前はもう帰れ』
「でもっ!敵が攻め込んできたら……!」
「そんなことはしない」
「本当は、みんな、争いたくないんだ」
「ただ、”先輩”が言うからっていう理由だけで、争うんだ」
「先輩の権力に、従わなければならない」
「そういう決まりだから」
年齢問わず、ただ、”先輩”に対しての”礼儀”は忘れない
それは、向こうもこっちも同じのようだ
『めめ、紐を外してあげて』
そう言われて、渋々、ふっかの手首を縛っていた紐を外す
「ふぅ、随分楽になったよ」
『それじゃあ、みんなで帰ってね』
『気をつけて』
「よし。行こっか」
「めめ、また、運転よろしく」
「…わかりました」
「ほら、しょっぴー、行くよ」
気付けば、1時間以上経っていた
スマホにはメンバーからの連絡がたくさん来ていた
「うわ、めっちゃ連絡来てる」
「俺も〜笑」
「ほら、早く車乗らないと」
「みんな心配してるよ」
そう言って、車に乗り込んだ
『はいおっけー』
「これやばくね?」
しょっぴーが一番に口を開く
まぁ言いたいことは分かるけど
すっげぇ気になる
なんか知らないけど俺は運転させられてる
他のメンバーが居るところに向かってる
ちょうど車に乗ったからだって
なにそれ
コメント
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もうなんか凄いいい意味でよく分からなくなってきた!(?)←語彙力が無くてすいません…