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夜明け前 冷えた風が頬を撫でてゆく
焦げた土と血の匂いが風に混ざる
 そんな中、銃を構えた
 視界の先にいるのは
 _敵軍の総統、グルッペン
 戦争を楽しみ狂気のままに導く男
 ただ撃てば終わる
それだけのはずだった
 
 彼は笑っていた
 仲間は危機に訪れ
城は燃え盛っているというのに
 炎の向こうでまるで
幼い少年のように笑っている
 その笑い方を見た瞬間
古い記憶と重なった
 
 
 _あぁ、思い出した
 
 
 会議室の机を二人で囲み
あの人はよく笑っていた
 地図を広げては
髪をくしゃりと撫でてくれた
 「きっとこの戦争も俺らの勝ちだゾ
お前の作戦があればな!」
 そう言って笑っていた
 その声も温もりも全て
 もう戦火に飲まれたはずなのに
 
 
 なんで
 あなたがその顔をするの、、、?
 
 なんで
 彼と同じ目で笑うの、、、?
 
 指が震える
照準が僅かにブレる
 
 
 
 
 「、、、何故撃たない
 使命を果たせ
 それがお前の仕事だろう」
 
 
 
 
 彼の真っ赤な瞳と目が合った
 
 
 
 
 撃て
 
 
 撃て
 
 
 撃て
 
 
 
 
 、、、撃て