コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
桃side
その子は橙という名前らしい。どうやら喉が潰れているからか、話せないみたいだ。「橙〜、お風呂入るぞ。」コクンと頷くその姿は人形みたいだった。風呂に入ると橙の体はとても酷かった。散々殴られて青くなってたり、赤くなってたり。喉のところに手の跡もくっきり残っていた。なんで、こいつは平気なんだろ。この頃ならまだ泣き叫ぶなりなんなりするはず。なのに、なんでこんな平気な顔をしてるんだろ…。いや、違う。橙は隠しているだけなんだ。なぁ、ホントは辛いんだろ?言っていいんだよ。書けよ。助けてって。もう辛い思いをさせないでって。そう思ってもどうしても言えなかった。言えるならとっくに言ってるよな。骨が折れているから、優しく洗う。橙は眠そうだ。「…お〜い、橙。寝るなよ〜ここまだ風呂だぞ〜、」そう声を掛けると驚き起きた。「もうちょっとだからな〜、」というとまた眠そうにしながらも頑張って起きていた。お風呂から出ると、紫ーくんが待っていた。「橙くんは俺のとこで寝かせるね。」という紫ーくん。…めずらし。いや、単にベッドがないとかそういうこともあるだろうけど、よっぽど心配なんだろう。「分かった。運べる?」というと、「大丈夫!なんなら桃くんを運べたし!」と自信満々に言うからお願いした。橙はすごく大人しくて何をやろうとしても驚いたりはあんまりしない。精神的ストレス、なんかだと思う。少しずつ治していこうな。俺たちが傷を埋めるよ。