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「ねぇ、明日さ」
リビングでくつろぎながら、ゆあんくんが声を上げる。
「みんなでどっか行かない?」
「いいね〜」
「どこ行く?」
「また外で遊びたいな」
いつも通りの、明るい会話。
「じゃあさ、近くの公園とかどう?」
うりが提案する。
「それいいかも」
「決まりだね」
話はどんどん進んでいく。
「もふくんは?」
のあさんが優しく聞く。
「うん、行くよ」
もふくんは、いつも通り微笑んだ。
―――
翌日。
天気は快晴。
「めっちゃいい天気じゃん!」
「暑いくらいだね」
みんなで公園へ向かう。
笑い声が絶えない。
平和で、楽しい時間。
——そのはずだった。
「……ん?」
うりが、ふと足を止めた。
「どうしたの?」
ゆあんくんが聞く。
「……いや」
視線の先。
少し離れた場所で、また揉め事が起きている。
「またかよ……」
小さく呟く。
「行かない方がいいよ」
もふくんの声。
昨日と同じ、静かなトーン。
「……分かってる」
うりはそう言った。
でも。
「ちょっと見てくる」
一歩、前に出る。
「うり!」
止める声。
それでも。
「大丈夫だって」
軽く手を振って、そのまま近づいていく。
「……」
もふくんは、何も言わなかった。
ただ、静かに見ている。
―――
「おい、やめろって」
うりの声が届く。
「……は?」
相手が睨む。
「関係ねぇだろ」
「あるだろ」
その瞬間。
「……」
空気が変わる。
さっきまでの明るさが、消える。
「……やめとけって言ってんだよ」
低い声。
目が——
鋭い。
冷たい。
別人みたいに。
「……っ」
相手が一瞬、言葉を詰まらせる。
そのまま、後ずさる。
「……行くぞ」
仲間に声をかけて、その場を離れていく。
あっさりと、終わった。
「……」
戻ってくるうり。
「大丈夫だった?」
のあさんが聞く。
「ん?余裕」
いつもの笑顔。
軽い口調。
でも。
「……」
ゆあんくんは、何も言えなかった。
さっきの目が、頭から離れない。
「あれで終わるの、すごいですね」
ヒロくんが静かに言う。
「別に」
うりは肩をすくめる。
その時。
「……うり」
もふくんが声をかけた。
「ん?」
「やめとこうって言ったよね」
優しい声。
でも。
少しだけ、冷たい。
「……悪いって」
うりは笑う。
「でも大丈夫だっただろ?」
「……」
もふくんは答えない。
ただ。
少しだけ、ため息をついた。
「……ほんと、変わらないね」
小さな呟き。
「え?」
ゆあんくんが聞き返す。
「なんでもない」
すぐに笑顔に戻る。
でも——
「……」
ヒロくんが、じっと2人を見る。
(やっぱり)
確信に変わる。
(この2人、普通じゃない)
そして。
「(何を隠してるんだろう)」
疑問は、さらに深くなる。
楽しいはずの時間。
なのに。
少しだけ、空気が変わっていた。