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ゆーた
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#宮舘涼太
クリオネ?
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saku
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アリゾナの灼熱の大地と乾いた風は、俺たちに最高のメダルを運んではくれなかった。
心のどこかにぽっかりとあいた穴はとても深く、きっと宇宙の果てにあるブラックホールはこんな感じで存在しているんだろう。
にも関わらず。
今でも俺の身体のなかにはまだ太陽が残っていた。
砂漠の砂が夜になっても昼の熱を手放さないように、皮膚の下には、あの時間の熱が静かに沈んでいた。
ホテルでは盛大なアフターパーティーが開催されてた。
しかし、俺たちチームは未成年がいるので、早々に切り上げることにした。
タフな二人とはいえ、解散する頃には少し眠そうにしていた。
俺は応援に駆けつけてくれた康二くんと、ホテルの部屋でささやかなアフター・アフターパーティーをすることにした。
「足らんよりは余るくらいの方がマシやろ」
そう言って、ホテルのコンビニで、ビールにワイン、テキーラ、それからポテトチップスやナッツ、名前もよくわからない乾き物まで、これでもかというほど二人で買い込んだ。
もちろん康二くんの奢りだ。
部屋に戻るなり、冷たいビールを開ける。
「まずは、お疲れ様やね」
そう言って、俺のグラスに自分のグラスをそっと当てた。
小さな音がして、泡が少しだけ揺れた。
今日のために多忙なスケジュールを調整して来てくれたことも。
あの場所で声をかけてくれたことも。
ちゃんとありがとうと言いたかったのだけれど、口にすると妙に照れくさくて、結局「うん」と答えてビールを一口飲んだ。
部屋には、試合のことをぽつりぽつりと振り返る声があった。
熱かったね、とか、あの振りはすごかった、とか。
話しているうちに、さっきまでの熱が少しずつ戻ってくるようだった。
試合の余韻と、二人の感想と、アルコールを注ぐその音だけが、夜の部屋にゆっくり広がっていった。
窓の向こうには、知らない街の夜景が広がっている。
さっきまで大勢の人のなかにいたのに、今は世界がずいぶん小さくなって、俺たち二人のところまで縮まっているような気がした。
「よくスケジュール調整できたね。」
まだなんとなく照れくさくて、手元のグラスを見つめながら切り出す。
グラスの中のワインが小さな波を立てて、くるくる回っている。
「俺、言うたやろ?アリゾナ行くって。ラウのためなら何でもやんでって、いつも言うてるやんか。」
ふと笑った顔に、少しだけ疲れが滲んでいた。
今日という日のために、きっとずいぶん前から予定を組んでいたのだと思う。
仕事も、時間も、細かなところまで。誰にも迷惑をかけないように、何ひとつ妥協しないように、几帳面なくらいきっちりと。
そうして作られた一日だったはずだ。
決勝を目の前にして、細い糸がピンと張り詰め、触ればぷっつりと弾けてしまいそうな緊張した空気。
その空気を、ちょうどいい具合に緩めてくれたのは康二くんだった。
「……あんな感じで、大丈夫やったんかなって、ちょっと心配やったんよ」
そう言って笑う。
「驚きすぎると、人ってほんとに声出なくなるんだね」
俺はまだ、そのときのことをうまく説明できなかった。
すると康二くんが、呆れたように、それでも楽しそうに笑った。
「にしても、三人とも反応薄すぎやったなぁ」
大切なものを大切にするために、きちんと準備をして、最後には何でもない顔で笑っている。
そういうところが大好きなんだよな、と俺は思った。