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「五億回の動きの向こうに。」
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翔編 第三話「13%の灯火」
病室の空気は少し重かった。
さっき、kamomeが小さな声で「翔ちゃんも……病気と闘ってるんだね」って言った瞬間、胸がギュッと締め付けられた。
ほんまはすぐにでも「大丈夫や」って笑い飛ばしたかったんやけど……。
気づいたら、俺は「寝たふり」してしもてた。
――情けないなぁ。
布団の中、目を閉じたまま耳だけを澄ませる。
「……どうして。なんで、翔ちゃんまで……」
kamomeの震える声。
その声色が、心にずしんと落ちる。
けど次の言葉で、思わず笑いそうになった。
「……でも、寝顔はやっぱりブサイクだなあ」
(おい!泣きながらディスるなや!)
思わず布団の中で肩がピクッと動いたけど、なんとか誤魔化した。
「……でも、こうやって隣で寝てるの、なんか不思議。偶然にしては出来すぎだよね」
(……ん?)
その一言に、心臓が跳ねる。
俺はうっすら目を開けて、視界の隅でkamomeを見る。
ベッドの端に座って、真剣な顔でこっちを見つめてた。
「もしかして、誰かが……仕組んだのかな。俺と翔ちゃんが再会できるようにって」
……その言葉に、背筋がゾワッとした。
けど同時に、胸の奥が妙に温かくなる。
(もしほんまにそうやったら……“仕組んでくれた人”に感謝せなアカンな)
一瞬だけ笑みがこぼれそうになって、慌てて布団に顔を埋めた。
……アカン、バレる。
けど次の瞬間、kamomeのぽつりとした呟きが、俺を完全に撃沈させた。
「……あ、でも。寝相は最悪のままだね」
(うるさいわ!!)
布団の中で必死に笑いをこらえる俺。
けど、涙声で笑うkamomeを見て――もう、寝たふりなんか続けられへん気がしていた。
第三話はここまでです!
ちょっと短すぎでしたかね…?
ま、いっか!
あと、なぜか閲覧数が見れなくて…読んでくれた方はいいねをお願いします。