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小学4年生。それは、勉強が一気に難しくなる学年だ。
授業についていけない児童が多くいる中、あくびをかいて暇そうにしている女。そう、それこそが私、草神相羅である。
ちなみに、空茉は勉強を楽しそうにしていて奏茉は半ば諦めている。
小学1年生の頃、空茉と奏茉が派手な喧嘩をしたらしい。でも、喧嘩するほど仲がいいと言うべきなのか、それからの双子の親密度はものすごい勢いで成長していった。今でもその親密度は健在。たまに喧嘩してるけど、いつの間にか仲良しに戻っている。
私は、少し悩みがあった。それは…
「相羅、まだ女の子の友達作れてないの?」
「…作れてないんじゃなくて作ってないだけだし」
呆れ顔の空茉に少し向きになって反論する。
私は小学四年生になったにも関わらず、女子友達が1人もいないのだ。そもそもの友達が奏茉と空茉しかいない。奏茉と空茉には私以外の友達が多くいる。クラス全員が奏茉と空茉を友達判定している中、私はまだクラスメイトという肩書きがいつになっても剥がれてくれない。
一回だけ親を呼び出されて、友達が少ないことについて先生が話した事がある。そんな子供の心を傷つけてしまうような事、本人の目の前で言うかと少し不機嫌になっていた。でも、帰り道で母は言ってくれた。
「相羅に友達がいないわけじゃないでしょ。奏茉くんも空茉くんもいる。たくさんいても仕方がないじゃない。大切な人が2人もいればそれで十分よ」
この言葉で、私の機嫌は治った。母の言葉はすごいもので、その日にあった感情全てを洗い流してくれる。
でも、だからと言って女友達がいないことを全く気にしていないわけではない。私にだって悩みの一つや二つある。奏茉と空茉にばかり甘えてはいけないこともわかっている。
ただ、私は本当に友達を作るのが下手だから、どうにかしないといけない。
そう悩んでいたある日の事。
「相羅相羅!ニュースだよニュース!」
いつも通りのスピードで抱きついてくる奏茉。それを空茉が剥がす。
「ニュースって?なんか事件でも起きたの?」
「転校生がくるかもしれないって!」
転校生、と言う聞き馴染みのない言葉に首を傾げる。
今は四年生の一学期真っ只中だ。こんな中途半端な時期に転校生なんて来るとは思えない。
「どこ情報?」
空茉も同じことを思ったのか、奏茉に聞いてみる。
「俺からの情報…?」
奏茉の真面目な顔を見て空茉と顔を合わせる。
「聞き方が悪い」
「ごめん…」
「奏茉、なんでそう思った?」
奏茉は私の質問に答え始めた。