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82
春千夜
21
#40✕✕年
#へたくそだけど許して
結月
1,613
わたしのもとに夏々は息を切らして来た。そして2人は目を丸くし、顔を見合せた。
「湊くんじゃん!」
夏々が目の前の男を見て声を上げた。
湊くん?
わたしの隣にいるのは、さっきまで『陽翔』と名乗っていた人だ。
人違いを疑い、陽翔の方を見ると、陽翔は普通に会話をしていた。
「営業後だよね?亜嵐の卓今日どうだった?!」
「どうもなにも、オリシャンすらも入ってなかったよ笑」
「はぁーよかった!」
困惑するわたしを見て、夏々は言った。
「そういえば、ふたりは知り合い?」
わたしより先に陽翔が口を開いた。
「さっき偶然会っただけ。だから俺のことはなんにも知らないよ」
夏々はなにか察したような顔をして、陽翔の顔を見た。
陽翔は笑って言う。
「彩葉ちゃん困らせてごめんね、俺実はホストしてるんだ。」
頭の中が真っ白になった。
たった今連絡先を交換し、会話を楽しんでいた人はホストだった。
「ホストって偏見持たれがちだから出来ることなら隠したかったんだけど、そうはいかないね笑」
陽翔が笑って言うと、夏々は急いで謝った。
「ごめん!なにも考えずに、」
「いいんだよ、長く関わるとしたらいずれ言わないといけないことだったし」
分からない。
わたしには何も分からない。
初めて見た時の夜職感は間違っていなかったということだ。
話しやすい。
そう思ってしまった自分が嫌だった。
相手はホストだ。
女の子をその気にさせお金を使わせる。
優しい言葉も笑顔もぜんぶ仕事。
夏々は何度も担当に泣かされてきた。
わたしはそれを知っていたからホストに良いイメージなんて元々なかったが、さらに印象が悪くなっていた。
「彩葉ちゃん」
わたしの顔色を伺うように陽翔が名前を呼んできた。
わたしは深呼吸して言った。
「なに笑、もう遅いし帰ろうか」
夏々の腕を引き、少し早歩きでその場を去った。
「気をつけて帰ってね」
陽翔はそう言い残した。
少し歩いたところで夏々は口を開いた。
「ねえ、湊くんがホストなのそんな嫌?」
「え」
わたしは思わず口に出す。
嫌なわけではない。
だってさっき会ったばかりの人だし、わたしが嫌って言う権利なんてない。
「もしも、湊くんのこと良いなって思ったら初回だけでも一緒いこ!」
ピコン
陽翔という名前が通知欄に光る。
わたしは思わずすぐに既読を付けた。
『今日はびっくりさせてごめんね、またいつかゆっくり話したいな』
わたしを気遣ってる風なLINEにため息をつく。
これがホストだ。
正直ドキッとだってするし、気にかけてくれて嬉しいとも思う。
でも、わたしをそう思わせたいと考えたうえでのLINEだと思うと、警戒心の方が上回った。
わたしは適当にスタンプで返した。
それなのに、帰り道も、朝家に着いてからも。
『またいつかゆっくり話したいな』
その一文だけが、何度も頭の中で繰り返されていた。
コメント
1件
ええ〜!?!?!?!?まってまってまって!!😭💦 陽翔くんがホストなの!?!?!? 「話しやすい」って思ってたのに「ぜんぶ仕事」って割り切ろうとする主人公ちゃんの気持ち、めっちゃ分かるし切なすぎる… でも最後の「またいつかゆっくり話したいな」が頭から離れないってとこ、もう完全に沼ってるじゃん!!😇💕 次どうなるか気になりすぎる〜!!続き教えてみいちゃん!!😭🔥