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「ほくと」(𝓡𝓲𝓷)『ジェシー』(友達)『こーち」(友達の好きな人)
『北斗、ヤバい。マジでヤバイ』
昼休み、僕のクラスに飛び込んできたジェシーは、見たこともない下り眉で僕の机に両手を突いた。
あまりの勢いに、ペンケースがカタカタと音を立てる。
「何が。また髙地先輩のこと?」
『そう!っていうか、これ見て!』
ジェシーが震える手で突きつけてきたスマホ画面には、緑色のメッセージアプリが開かれていた。
そこには、見慣れないアカウント名と、シンプルで短いメッセージ。
『3年の髙地です。友達からジェシーの連絡先聞いたから登録したよ。よろしく」
「……え、これ、本物?」
『本物!!嘘じゃない、絶対先輩!!』
ジェシーは嬉しさと緊張が限界に達したのか、今にも奇声を上げそうな口元を必死に手で押さえている。
僕には好きな人がいないから、その衝撃がどれほどのものか想像するしかない。
でも、毎朝の登校中にジェシーから『今日も話しかけられなかった』とか『目が合った気がする』とか、一喜一憂の報告を散々聞かされてきた身としては、これがどれだけの大事件課はよく分かった。
「よかったじゃん。先輩の方から追加してくれるなんて、ジェシー、好かれてるんじゃない?」
『無理無理無理!心臓止まる!なんて返せばいい!?『よろしくお願いします!』?それとも『追加してくれてめちゃくちゃ嬉しです!』ってハート送る!?』
「ハートは重いで普通に返しなよ……」
パニックを起こしてスマホを持ったまま踊り狂いそうなジェシーを、僕はとにかく宥める。
ジェシーは画面を見つめたまま、『どうしよう、文字打つ手が震える……』と、普段の豪快さからは想像もつかないくらい小さくなっていた。
『北斗、一緒に考えて!最初の一歩、絶対に失敗したくないの!』
「僕に聞かれても困るよ。……でも、素直に嬉しいって伝えるのが一番ジェシーらしいと思うけど」
僕が呆れ半分でそう言うと、ジェシーはハッとしたように目を見開いた。
『そっか……。俺らしく、ね』
少しだけ落ち着きを取り戻したジェシーは、真剣な顔で画面に文字を打ち込み始めた。
その横顔は、いつものお調子者のジェシーではなく、ただ一途に先輩を想う、恋する男の子の顔だった。
繋がった小さな画面の向こうに、ジェシーの想いが届くのは、きっともうすぐだ。
コメント
3件
うわ、ジェシー、めっちゃテンパってる(笑)!でもわかるなあ、好きな人から突然連絡来たら心臓飛び出るよね。北斗の「ハートは重い」って冷静なツッコミがめっちゃ好き。親友の距離感が絶妙に出てて、読んでるこっちまで「早く返事しろ!」ってドキドキしちゃった。ジェシーが「俺らしく」って自分を取り戻すシーン、ほんと良いな。次、どうなるんだろう?