酸欠で頭がぼんやりとし始めた頃
そっと唇が離されて優しい腕に包まれた
「あべちゃん…?」
「しょうた、大丈夫?」
「…うん…。あべちゃんは…?もうだいじょうぶなの?」
「うん、ごめんね、急に。なんか止められなかった。」
「ううん。…なんかあったの?」
「んー。何って訳ではないんだけど、ちょっと疲れが溜まりすぎちゃったのかも」
「ん。無理し過ぎないで。」
あべちゃんの頭を撫でてやる
いつもの優しくて穏やかな目に戻っているのを確認してほっと息をつく
「怖かったよね?」
「…ん、ちょっとだけ。でも大丈夫。」
「ごめんね。」
「落ち着いた?」
「うん、翔太のおかげで、すごく満たされてる気持ち。」
「じゃあ、よかった。」
あべちゃんは気持ちよさそうに俺に撫でられている
「ねぇ翔太、俺、また今日みたいになっちゃう時があるかも」
「んー、そうなる前に吐き出せないの?」
「リフレッシュはしてるつもりなんだけどな」
「無自覚かよ。まぁ、ひどいことしないんだったら。」
「それはないと思う。俺は、翔太が大事だから。」
「ん。でも、なるべく溜め過ぎるなよ。」
「うん、気をつける」
「よし、じゃあもう気にするな。」
「ありがとう。翔太、お腹空いたでしょ。ご飯にしよっか。」
「うん、」
結局なんでそんな風になるのかはいまだに分からないけど、俺がいることで落ち着くんだったらいいやと思ってそのままにしてる
たまにだったら、あの暗い瞳に見下ろされて、 征圧されるのも少しドキドキして悪くないと思ってることは内緒だ
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