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数日間を薬部屋で虚無に過ごしていると、バルサック様がお見えになったとサリーが言いに来た。
私はため息を吐き、バルサック様の元に向かった。
「そなたのおかげじゃ!
見事にボウコウエンは治った!
そなたは真の薬師であるな!」
バルサック様は豪快に笑いそう言った。
「ありがとうございまする。」
「余も約束を守ろう。
何か欲しいものは無いのか?」
「残念ながら、欲しいものはありませぬ。」
「シャルルダルクと会うのを拒んでいるそうだな…
珍しくあのシャルルがしょげておったわ。」
バルサック様はおかしそうに笑う。
「なぜ、シャルルダルク様がしょげるか分かりませぬが、もう会う気はありませぬ。」
「分かった。
余が引導を渡してやろう。
それが褒美じゃ。」
「え…
いえ、そこまでは…」
しかし、ここで止めるのも変である。
そんなすれ違った話をして、バルサック様は帰っていかれた。
sideシャルルダルク
俺はバルサック兄上に呼び出されていた。
珍しい事だ。
何の用だ?
俺が兄上の宮殿の奥の応接間に入ると、兄上は言った。
「マリーナを今夜夜伽に呼んである。」
バルサック兄上はそうはっきりと言った。
「冗談にしては面白くありませぬな!!!」
俺は怒鳴るように言った。
「お前がマリーナを止めぬなら、今宵余が抱く。
第1王子の余の夜伽は、喜ぶべき事であろう?」
「許さぬ!
たとえ兄とて、マリーナは絶対に渡さぬ!!!」
そして、俺はバルサックの言う事も聞かずに、後宮に向かい、マリーナの部屋の扉を叩いた。
「まぁ、シャルルダルク様!
マリーナ様はお加減が悪く、お会いしたくないと…」
「えぇい!
お主の意見など聞いておらぬ!
マリーナ!」
俺は扉を蹴破った。
マリーナは居た。
俺は彼女を抱きしめて言った。
「バルサックに抱かれるなど、俺が許さぬ!」
「は…?
一体何の話でございますか…?」
「は?
バルサック兄上がそなたを夜伽に呼んだ、と…」
「そのような話はありませぬ…」
「は…?」
俺は鳩が豆鉄砲を食らったような顔でマリーナを抱きしめる手を緩めた。
「バルサック様は不調があり、私が薬を処方しただけです。
なんです?
夜伽とは?
それは、シャルルダルク様がされている事にございましょう!」
「は?
俺がいつ夜伽をさせた?」
「私は見てございます!
黒髪の美女とホテルに入るところを!」
マリーナは目に涙を溜めて言う。
「あれは…
ヘラ王女が急に体調が悪くなられて…
抱いてなどおらぬわ!」
「嘘です!
では、ヘラ王女はどのような症状だったのですか!?
私が診断しますゆえ、おっしゃい!
どうせ、色仕掛けの仮病にございましょう!」