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第9話!
「涼架って名前は僕のお父さんがつけてくれたんだけどね。」
父は体が弱くて、僕が物心つく前に肺炎で亡くなってしまった。
もともと借金があって、苦しい生活だったらしいんだけど、父が亡くなってからは母の一馬力で暮らしていかなければならなかったからカツカツだったんだ。
母さんは工場勤務とスーパーのパートを掛け持ちしてて、手取りは多分15万くらい。
家賃と光熱費と水道代を払って、借金を返すために使うと、食費なんか残らなかった。
『そもそも!お前が俺に浮気させたんだろ!』
『はぁ?!結婚してんなら浮気すんなよ!』
ボロアパートだから壁が薄くて、隣の夫婦喧嘩の声が聞こえてくる。
うぅ、寒い。
暖房をつけると電気代が上がるから、こたつで無理やり冬を凌ぐ。
手がかじかんで上手く鉛筆が握れない。
「おなか、すいたなぁ。」
なんとなく冷蔵庫を開けてみるけど、昨日と変わらない。
先週八百屋のおじちゃんにもらった漬物が入ってるだけ。
漬物かぁ、お米ないと食べたくないなぁ。
僕の1日のメインの食事は給食だった。
あったかいし、おいしいし。
だから学校が好き。
「ねえりょうちゃん見て!この前の靴穴空いちゃったから新しい靴買ってもらった!速そうなやつ!」
「うぇー、めっちゃいいじゃん!かっこいい!」
いいな、新しい靴。
僕も速そうな靴欲しいなぁ。
なんで僕の靴はこんなボロボロなんだろ。
仕方ないんだよなぁ、お母さんすごく頑張ってるから。
とてもじゃないけど、新しい靴が欲しいなんて言えない。
ランドセルだって、服だって、ボロボロだけど、お母さんに悪いから。
友達の家にもほとんど行ったことがなかった。
お返しができないから。
「この前俺ん家で遊んだから今日はりょうちゃん家で遊ぼうぜ!」
「あ、あはは、僕ん家狭いから遊べないんだよ、、ごめんね、」
遊べないから、孤立する。
おしゃべりな僕にとって苦しいことだった。
「ただいまぁ、」
「あ!お母さん!おかえり!今日ね!学校でね!」
「うんうん」
疲れてるはずなのに僕の話に付き合ってくれたお母さんには感謝しかない。
「ごめんねぇ、今日もおかずなくて、」
今日も食卓に並んだのはお米と漬物だけだった。
「大丈夫!僕お腹空いてないよ!」
うそ。本当はお腹ぺこぺこ。
でもそれはお母さんも一緒だから。
「おっきくなったらおれがお金いっぱい稼ぐから!お母さんに楽させたげる!」
そんな夢を抱くようになっていった。
続きます!
バイバイ👋